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2005/06/05

「五線譜のラブレター」私的映画考Vol.11

今日は素敵なラブストーリーを紹介。「五線譜のラブレター」です。実在の人物を真実のストーリーで綴る伝記映画の形態を取りながらも、そこにある様々な愛のカタチを見事にラブストーリーとしてまとめ上げた監督の力量に感服。音楽に溢れたミュージカル映画としても成立しているし、ジャンルはどこにでも当てはまるかもしれません。

1920年代のパリ。コール・ポーター(ケビン・クライン)は社交界の集まりで、生涯のパートナーとなるリンダ・リー(アシュレー・ジャド)に出会います。そこからコールの人生は、劇的に変化を遂げていきます。コールの嗜好をものともせず、二人は愛で結ばれているように見えた。舞台はベネチア、ニューヨーク、ハリウッドと展開。二人の愛の行方は・・・。音楽界での成功、その先にあるものは・・・。

美しい音楽と映像も良いし、劇中流れる音楽もダンスも楽しく、思わず笑みがこぼれてしまいます。数々の名曲を楽しめると共に、現代の有名な歌手が当時の楽曲を歌い上げるのも見どころの一つ。各年代の衣装や、古き良き時代のブロードウェイ、ハリウッドの雰囲気を味わえるのも良いです。

そんな中でもこの作品で特に目をひいたのは構成です。年老いたコールが人生の終幕を前に、舞台で演じられる自らの半生を謎の男と共に観ると言う構成です。人生を振り返り、たくさんの思い出に浸る。美しかったリンダ、たくさんの友人たち。次々と輝かしい生涯を美しい音楽と共に奏でます。ときおり、劇場に戻り、あと時はこうだったと・・・。回想シーンを挿入する、時系列が行ったり来たりすると言う構成は良くありますが、舞台を観客席から観るという構成は面白かったです。

泣き所は、ラスト近く。コールの人生に関わってきた人々が歌い踊り、コールに会いに来ます。こういうたくさんの人が祝福するようなシーンは特に弱いです。思わず感動。そこにリンダが居てくれれば・・・。

音楽と様々な愛に生涯を捧げたコール。それが愛なのか。リンダに対する愛は真実なのか。何を見てきたのか。そして「それが自分のありのままの姿」だと。後悔、侮蔑、涙。そして、終幕。愛とは何なのか、そんな想いに浸れる作品です。「だから、みんなで恋をしよう」。

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コメント

良い作品ですよね。
一歩間違うと、人生の嫌な部分だけが見えてしまうおそれがある内容ですが、きっちりとテーマを絞り込みかつ嫌な部分も描き、人生にはいろんな事がある、だから楽しいんだって思える作品ですね。

ご紹介ありがとうございました。「五線譜のラブレター」タイトルに惹かれて観ました。想像以上。美しく感動しました。思い出が絆をつくるんだなぁ。素晴らしい映画は深い人生観を表しますね。技法的にはミュージカル風な仕上がりも、特殊メイクも効果的。パリ、ベネチアの風景は完璧でした。色が素晴らしい。コールがリンダにピアノに向かって歌うシーンが好きです。ハリウッドに住んでからだったか、リンダにシワが施されたアップのシーンでも悲しくて美しくて涙が止まりませんでした。

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