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2005/07/09

「海を飛ぶ夢」私的映画考Vol.15

近所のお寺にある掲示板を通勤途上、信号待ちの時などによく見ます。時々、ドキッとして、刺激になる言葉が書いてあり、自分の戒めになる事もあります。何年か前の春に書いてあった言葉「散る桜 残る桜も 散る桜」。もののあわれを言っているのでしょう。今日映画館で「海を飛ぶ夢」を観ながら、この言葉を思い出していました。

四肢麻痺の男性・ラモンと、病に悩む女性弁護士フリアは、ラモンの尊厳死を認めさせるための訴訟を通して出会います。ラモンは20数年間寝たきりで、首から上しか動かす事が出来ません。なので、ベッドから見える窓の外だけが彼の世界。海が好きで船乗りをしていた彼は、ときおり空想の中で海まで飛んでいきます。美しくどこまでも広がる海。浮遊感と開放感、その空想の中では自由なのです。ラモンとフリアは知らず知らず惹かれ合っていきます。もう一人の女性ロサも関わっていき、物語は裁判、そして最後の決断と続いていきます。

ラモンを取り囲む様々な人間関係を見事に描きます。父、兄、兄嫁、甥、友人、弁護士、運転手、神父、応援してくれる人々・・・。家族はそれぞれが実に個性的で、性格描写もさることながら、溢れんばかりの愛情を感じます。

泣き所はいくつもあり、紹介し切れませんが、義姉と、甥との別れのシーンはかなり泣けます。後半からラストまで延々泣き続けそうでした。

好きなシーンは、眠れない夜に、隣の部屋で眠るフリアにラモンは問いかけます。「まだ起きてるかい?」「ええ」「眠れないんだ・・・、足が痒くて」。二人とも笑ってしまいます。なんとなく雰囲気が良くって、微笑ましくって、とても素敵なシーンです。

死について考える事はあまりないかもしれません。事実、自分自身、考えた事はないです。生きる事、死ぬ事、それぞれに意味があります。劇中の台詞「生きる事は権利であり、義務ではない」と。確かにそうなのかもしれませんが、各に家族もいる、友人もいる、愛する人もいる、に違いありません。そこでの決断というのは、本当に辛く厳しい事でしょう。

美しい映像と美しい音楽を通し、生きる事の意味、尊厳とは、自由とは、色々な想いに駆られるこの作品。ぜひご覧ください。

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