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2006/07/30

「分身」東野圭吾

分身

2003年11月に初めて読んだ東野圭吾作品は「探偵ガリレオ」「予知夢」。その後、デビュー作の「放課後」に始まって「卒業」「学生街の殺人」と学園ミステリーを読みました。それから「宿命」「変身」と今までとは違う作風の作品を読み、より東野作品に惚れ込みました。

それから何作か読んだ後、今回読んだ「分身」でさらに感動。

「もしかしたら私は母に嫌われているんじゃないか」と言う書き出しで始まる本作。主人公の一人、鞠子の一人称で綴られる「鞠子の章 その1」。次はもう一人の主人公の一人称「双葉の章 その1」。交互に二人の主人公を追う形でストーリーは展開します。

二人はそれぞれの母親を不慮の事故で失っていますが、そこから二人は自分の出生の秘密を求めて歩き出します。二人の悩みは容姿がまったく親に似ていないこと。後に二人は双子のようにそっくりなことが分かりますが、同じ目的で行動しているにもかかわらず、二人は出逢うことはありません。

どんな場所で、どんなタイミングで二人は出逢うのか?物語が進むにつれ、すれ違いそうになるともうドキドキです。二人の出生の秘密は現代医学の危険な領域にかかわっていきます。

親子とはいったい何なのでしょう?血縁とは?医学の進むべき道とは?様々な疑問を投げかけ、舞台は東京、札幌、函館、旭川、そして富良野と展開。謎解きとしても楽しめるのですが、父と子、母と子、それぞれの苦悩を描き、愛をも描きます。そして物語は大団円へと向かいます。

ラストシーンは「宿命」「変身」の時にも感じたようなさわやかな感動を与えてくれます。また、情景を思い浮かべやすく、映像も自然に浮かんできます。

作風が次々と変わっていき、ミステリーから様々なカタチのサスペンスへと広がっていく東野作品。力量と言ってしまうのはカンタンでしょうが、それだけではない、可能性があるように思えます。まだ読んでいない作品が多いですから、これからどんな世界観、どんな物語、どんな登場人物に会えるのか楽しみです。

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» 東野圭吾『分身』 [itchy1976の日記]
分身集英社このアイテムの詳細を見る 今回は、東野圭吾『分身』を紹介します。本書は、最初から最後まで結構楽しめる作品です。いつ氏家鞠子と小林双葉に出会うかということをポイントに読んでいけば楽しめるのではないでしょうか。あとは、育ての親(戸籍上の親)と産んでくれた親の感じ方の違い見たいな事もポイントになるでしょうか。 氏家鞠子は、母親の死をきっかけに自分探しの旅に出かける。主に、東京に上京して調査を続けることになる。その�... [続きを読む]

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