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2006/12/10

「転校生」私的映画考Vol.54

今日は、大林宣彦監督作品「転校生」をご紹介。ご存じ、尾道を舞台にした大林作品。尾道三部作の第一作。

本作を、前に観たのは何年前なのか分からないくらい昔で、断片的に覚えているシーンはありますが、全体のストーリーや、奥深さは全く初めての作品のように思えました。大人になって観ると、受け止め方が違う作品はありますが、本作もまさにその通りです。

尾道の中学校へ転向してきた斉藤一美(小林聡美)は、幼なじみの斉藤一夫(尾美としのり)と再会する。懐かしさ、恥ずかしさもあってか、かみ合わない二人。そして帰宅途中、石段から誤って落ちてしまう二人は、気がつくと身体が入れ替わっていた・・・。

冒頭はセピアカラーの尾道。ノスタルジックの残っている町、尾道。海があり坂があり、曲がりくねった道、階段。風光明媚であり、その風景が今も変わらない、そんな町だからこそ、この物語が生きてきます。

そして、画面は一男と一美階段から落ちると共に、総天然色へと変わっていきます。まるで本当の世界のように。最初は動揺しまくる二人ですが、次第に状況を受け止め、何とか生活をしていきますが、男っぽい一男は不器用で、女性のことなど分かりませんから、上手く立ち回れませんが、そこがユーモラスであり、事件を巻き起こしていきます。

一夫一家が横浜へと引っ越す日が刻一刻と迫っていきます。もう、このまま入れ替わったまま、戻らないのかもしれない。それならそれで入れ替わったまま生きるしかない。そんな焦りから、二人は家出をします。二人で一緒に過ごす夜、見つめ合う二人、穏やかな表情、相手を、自分を、思う気持ち。とても良いシーンです。

そして、ラストシーン。引越の朝。いつまでもいつまでもトラックを追いかけて手を振りながら走る一美。「さよなら、アタシ」「さよなら、オレ」。感慨深く、慕情をそそり、そして感動的。8ミリフィルムの映像が少しずつ小さくなっていきます。このラストシーンが、名作たる所以なのでしょう。

思春期の男女の身体が入れ替わってしまい、それに伴って起こる様々な出来事を通して、相手を思いやる気持ちや、異性を理解すること、そして、愛することも知る。そして、なんと言っても、さわやかな感動が味わえるファンタジー作品です。ますます尾道に行きたくなる作品です。

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コメント

こんばんわ〜コノ映画、見た事あります!
「神はサイコロを振らない」を見た時に
「転校生」の二人じゃん!って思いましたもん♪
尾道って行った事ないけど、大林監督って好きですよね、この街!
「青春デンデケデン」とかいう映画も大林作品ですが
浅野忠信が出演してて 何度もみたんですが〜
方言もいいし、笑えるし、なんか良い映画です♪ほんわかします♪

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