「敬愛なるベートーヴェン」鑑賞
先日、「敬愛なるベートーヴェン」を観てきました。主演:エド・ハリス(「アポロ13」「トゥルーマンショー」「めぐりあう時間たち」)。
交響曲第9番の初演を中心に孤独な天才ベートーヴェンの晩年を描いた作品。初演4日前。まだ、合唱パートは完成していなかった。そこに、音楽学校の優秀な学生であるアンナが現れ、写譜をするという。最初は女性であることに敬遠していたベートーヴェンだったが、アンナの才能を認め、信頼していく。そして、初演の日がやってきた。
難聴で気むずかしいベートーヴェン。野獣と恐れられていたらしい。相手を侮辱しけなすのは当たり前のようですし、とにかく部屋は荒れ放題。そんな環境で良い音楽が出来るのかと思ってしまいますが、魂の叫びを楽譜にしていくベートーヴェンにとっては関係ないのかもしれません。ときおり静かな森に行って、溢れんばかりの音を練るようなこともします。天才と何とかは紙一重と言いますが、まさにそんな感じ。周りの音楽家は皆、敵であり、ライバルだったのかもしれません。
第9の初演リサイタルのシーンは圧巻です。合唱付き歓びの歌では、盛り上がりも最高潮。ウルウル来てしまいました。それまで交響曲に合唱が付くなんて事は考えられなかった事でしたが、ベートーヴェンにより常識が覆された夜だったのです。恍惚の表情、歓声、涙。そこに至るまでは、計り知れない努力や苦労があったに違いありません。もちろん撮影もさぞかし大変だったことでしょう。
「耳は聞こえないが、頭の中は音で溢れている」と言うベートーヴェンの台詞が印象的。、そのベートーヴェンになりきったエド・ハリスに拍手。エド・ハリスは他の作品とは全く違う印象で、名演と言えるのではないでしょうか?
ベートーヴェンとアンナには師弟関係を超えた魂の交流と深い愛情があったに違いありません。神との対話から生まれる音楽、その描き手としてのベートーヴェンには想像を絶する人生があったに違いありません。音楽を通しての、崇高な想いと感動を味わえる作品になっています。
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