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2007/02/18

「ふたり」私的映画考Vol.60

今日は大林宣彦監督作品「ふたり」をご紹介。新・尾道三部作の第1作(「あした」「あの、夏の日」)。出演:石田ひかり、中嶋朋子、尾見としのり、岸部一徳他。原作:赤川次郎(「ふたり」)。

ドジで愚図な妹、実加(石田ひかり)は、中学生。親友の真子とは大の仲良しで、いつも一緒に過ごしていた。第九の演奏会に行った二人の前に現れた大学生・神永(尾見としのり)。実加の姉・千津子(中嶋朋子)の知り合いだという。神永が探していたのは、千津子だった。しかし、千津子は不慮の事故で数ヶ月前になくなっていた。愕然とする神永。実加は「姉は私の目を通して見ている」と告げる。千津子は幽霊になって実加と共にいたのだった。

千津子と実加。ふたりはいつも一緒にいた。寄り添うように。それは千津子が亡くなった後でも。確かにドジで愚図な妹を見守っていたい、と言う想いもあったのでしょうが、その母性によって幽霊となって現れたのでしょう。愚図な妹をふがいないと思うこともあったかもしれませんが、それでもたったひとりの妹はかけがえのない存在だったのです。

死の間際の台詞が良いです。「もっと自信を持ちなさい」。確かなモノを持っている妹に対して、あと少しだけ自信を持てば、きっともっと良くなるに違いないという確信を持っていたのでしょう。感動的で良いシーンでした。

美しい尾道を舞台に、四季に彩られた生活を描きます。細い小路、遠くに見える青い海、そこに流れる優しい音楽。主題歌「草の想い」。劇中歌として何度も流れますし、BGMとしても流れる楽曲を担当したのは久石譲。これがまた良いです。哀愁のあるメロディが、物語に色を添えます。

実加は徐々に成長していきます。いつまでも「千津子ちゃんの妹」ではいたくはないという実加の葛藤があります。姉は勉強も何でもできるし、しっかり者。その姉に対して羨ましくもありますが、疎ましく思うこともあります。そんな思いは姉妹であれば、思うのは当たり前のようですが、それが実加にとっては大きなコンプレックスでした。そして、姉の亡くなったときの年齢が近づきます。

ふたりでひとり、ひとりでふたり。ふたりの姉妹は、深い絆で結ばれ、どんなことがあっても強く生き、そして様々な経験を通して、親子、家族、姉妹の有り様を見直していきます。そして、大人になっていくのです。妹・実加の成長を、風光明媚な尾道を舞台に描くファンタスティックストーリー。どうぞご覧ください。

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