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2007/03/21

「異人たちとの夏」私的映画考Vol.66

今日ご紹介するのは、大林宣彦監督作品「異人たちとの夏」です。出演:風間杜夫、秋吉久美子、片岡鶴太郎、永島敏行、名取裕子他。原作:山田太一。

離婚して失意のシナリオライターである主人公ヒデオ(風間杜夫)は、ある日、故郷の浅草を訪れます。そこで出逢ったのは、亡くなったはずの父親(片岡鶴太郎)でした。12歳の時に死別した両親は若いままの姿でした。板前でちゃきちゃきの江戸っ子の父、ケタケタと快活に笑う美しい母親(秋吉久美子)。なぜ?と言う思いのまま、通い詰めますが、そのうちにヒデオの身体が蝕まれていくのでした。

古き良き時代の街並みを残す浅草が舞台。再開発の波も押し寄せてはいますが、まだまだ古い家も残っています。そんな町のアパートの一室に連れて行かれるヒデオ。そこには、子供の頃の懐かしい生活があったのです。不便かもしれないけど、贅沢はできないかもしれないけど、暖かい家庭があったのです。

ヒデオは両親が12歳の時に亡くなったので、親の愛情に飢えていたのでしょうし、傷心も重なっていたのでしょう、会わずにはいられない。そんな、ときめきにも似た、嬉しい気持ちが満ちあふれてきます。しかし、そんな時は長くは続かなかったのです。

そして、別れの時。とても素敵なシーンになっています。後悔してもしきれない、溢れんばかりの愛情。お互いに、懺悔の気持ちもあったかのかもしれません。それに、ヒデオには今まで良い父親でなかった、良い夫でなかったという想いも。

死というのは現実にあるわけで、そこに直面した時、辛く悲しい気持ち、さみしさ、深い絶望や甘い思い出等々、様々な想いが去来します。しかし、だからこそ、残された者は、死者たちへの感謝の気持ちを込めながら、懸命に生きなければならないのでしょう。それが使命なのです。そんな思いを味わいつつも、感動できる作品になっています。

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