東野圭吾「浪花少年探偵団」
今日、ご紹介するのは東野圭吾の「浪花少年探偵団」です。
主人公・竹内しのぶ。25歳、独身、短大卒。大阪大路小学校6年5組担任の教師。ちょっと見は丸顔の美人だが、口も早いし手も早い。情には熱いが、気が短く、思いこんだらまっしぐら、走りだしたら止まらない。台詞はすべて大阪弁。まるで、「じゃりン子チエ」がそのまま大人になった姿のようです。
しのぶセンセのクラスの福島の父親が殺された事件を皮切りに、事件解決のためにしのぶセンセと教え子の悪ガキ探偵団が大活躍します。
連作短編集としていくつもの事件に係わっていきます。事件の内容ももちろん面白いのですが、実は、エリートの本間と刑事の新藤がしのぶをめぐって恋のさや当てを繰り広げる。こちらの展開にも興味津々。三人の関係はどうなっていくのか。近づいたり離れたり。上手くいっているかのように見えても、しのぶセンセは気のない様子。おまけに新藤刑事は、事件が発生すれば、デートの最中でも呼び出されてばかり。
センセが事件に係わっていくときも、その場にいて巻き込まれることあり、無理矢理首を突っ込むことあり、教え子関係だったりもありと様々。警察の捜査とは違うひらめきで、事件解決の糸口を掴んでいきます。ただ、それをしのぶセンセ自身が自分で解決しようとするのは玉に瑕。警察に任せればいいモノを。
本作は、悪ガキ探偵団の卒業と共に、しのぶセンセが大学へと内地留学する所で終わります。で、続編「しのぶセンセにサヨナラ―浪花少年探偵団・独立編」に続きます。学校を離れたことで、これまで以上に色々な事件に係わっていきます。もちろん、ますます元気にますます熱いしのぶセンセのパワフルな活躍が味わえます。
おもしろ楽しく、時にホロリという感じで読んできましたが、最も感動したのは最終話「しのぶセンセの復活」のラストシーン。このシーンのためにこのシリーズはあったんではないかなあとも思える良いシーンになっています。教育とは何なのか、そんな思いを抱きつつ、「しのぶセンセ」シリーズは幕を閉じます。
東野圭吾のシリアスで複雑な長編ミステリも面白いですが、人情味溢れるユーモラスな短編ミステリも興味深いです。できれば、「しのぶセンセ」の続編もまだまだ読みたい気もします。
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