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2007/05/08

「善き人のためのソナタ」私的映画考Vol.79

先日、「善き人のためのソナタ」を観てきました。フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督作品。出演:ウルリッヒ・ミューエ(「ファニーゲーム」)、マルティナ・ゲデック(「マーサの幸せレシピ」)、セバスチャン・コッホ(「トンネル」「飛ぶ教室」他。2007年アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。

1984年、東ベルリン。劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)と恋人の舞台女優クリスタ(マルティナ・ゲデック)は盗聴されていた。反体制の思想の持ち主であると疑いをかけたシュタージ(国家保安省)のヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)は、屋根裏の一室にいて盗聴器に耳を傾けていた。そこから聞こえてきたのは、自由な思想、愛の言葉、そして美しいソナタだった。

創作活動の権利を剥奪された演出家イェルスカから贈られた本は「善き人のためのソナタ」の楽譜でした。そして、そこには「この曲を本気で聴いた者は、悪人にはなれない」とあったのです。盗聴を続けるヴィースラーに、いつしか、変化が現れます。歪んだこの国の政治・権力に対する疑問や抵抗の気持ちが芽生え始めていくのでした。

あいかわらずどんな内容か知らないで観に行くので、まずはドイツ映画でびっくりしました。東ドイツが舞台と言うことでこれまたビックリ。それに、ドイツがふたつに分かれていたことも忘れていたのが現実でした。そう言えば、東西ドイツはベルリンの壁で隔てられていたんだなあと思い返しました。

どんな展開になるのか、ドキドキでした。得も言われぬ恐怖感と緊張感。実際、本作のようなことが行われていたのでしょうから、それはそれは恐ろしいことです。盗聴・監視は当たり前、危険思想の持ち主には政治的圧力・職業制限もあります。

ラストシーンが秀逸でした。それは初めて自分の意思で行った自由であったのかもしれません。こんな時代があったのでしょうし、それも現実。それでも、いつか、人間としての尊厳や自由は掴むことができるのです。このシーンのおかげで、すべてが救われたように思います。優しいラストシーンでした。

ベルリンの壁崩壊から17年。今まで語られることのなかった東ドイツの真実。今だからこそ観るべき作品なのでしょう。

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