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2007/05/03

「バベル」私的映画考Vol.76

先日、「バベル」を観てきました。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品(「21グラム」)。出演:ブラッド・ピット(「セブン」「Mr.&Mrs.スミス」)、ケイト・ブランシェット(「ロード・オブ・ザ・リング」)、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子他。ゴールデングローブ賞作品賞受賞・6部門7ノミネート。アカデミー賞6部門7ノミネート。カンヌ国際映画祭最優秀監督賞受賞。

モロッコを旅行するアメリカ人夫婦・リチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)。バスに揺られていたが、突然何者かによってスーザンが狙撃される。周りには何もない山道。医者のいる町までは何時間もかかると言う。それでは助からないかもしれない。近くにガイドの生まれた村があると言うことでとりあえずそこに行き、救急車を待つしかない。その狙撃に使われた銃は、日本人のハンター(役所広司)のモノだった。

公開前には、アカデミー賞最有力と言われ話題になり、公開後は、過度な演出効果により体調不良になる人が現れるということで話題になり、なかなか話題に事欠かない本作。

確かに、現在話題になっているシーンは、明滅する照明と激しく波打つビート、そして静寂という演出が施されていますが、そんなに凄いとは思いませんでした。が、それはある程度、事前に情報があってのことで、何も知らずに観たら、体調を崩す人がいるかもしれないです。

とは言え、演出的には素晴らしいシーンだと思いました。観ている者の視覚・聴覚と、菊地凜子演じる聾唖の少女・チエコの視覚・聴覚とを対比させ、少女の心に潜む孤独と絶望感を表現しているように思いました。

瀕死の重傷の妻を見守るリチャード。しかし、現地の人々とは言葉が通じない、気持ちも通じない。わき上がる焦燥感、後悔。しかし、言葉は通じなくても心が通じる瞬間もあるモノ。優しい表情の老婆が良い味を出しています。

言葉が通じない、気持ちも通じない。そんなもどかしさは誰しもが味わったことがある想いなのかもしれません。まして、音のない世界に生きる少女にとってみれば、果てしのない孤独感を感じることもあるのでしょう。

バベルの末裔である我々人類はこれからどう生きていけばいいのか、どうやってつながっていけばいいのか、言葉もこころも通じる日が来るのでしょうか。そんな、少し重い気分になり、そして感動。その後には、様々なことを考えさせられる作品です。

終盤、効果音と映像、音楽と映像、でストーリーが展開していくシーンがありますが、映像の持つ力を感じさせられました。人種や言葉や文化が違っても、きっと通じ合えるモノはあるはず、わずかな希望が感じられました。21世紀の今、現実を認識するにふさわしい作品となっています。

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