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2007/06/19

「ゾディアック」私的映画考Vol.88

先日、「ゾディアック」を観てきました。デビッド・フィンチャー監督作品(「セブン」「ファイトクラブ」)。出演:ジェイク・ギレンホール(「ドニー・ダーコ」「ブロークバック・マウンテン」)、 マーク・ラファロ、 ロバート・ダウニー・Jr、 アンソニー・エドワーズ、ブライアン・コックス他。

1969年7月。ドライブ中のカップルが襲撃され、女性は死亡、男性も重症を負う事件が起こった。その1ヵ月後、新聞社に事件の犯人と思しき人物から犯行を告白する手紙と暗号文が届けられる。他の新聞社にも送ったが、暗号文を新聞に載せないと大量殺人を決行するという。

暗号は新聞に掲載され、新聞記者のエイブリー(ロバート・ダウニー・Jr)やイラスト担当のグレイスミス(ジェイク・ギレンホール)は“ゾディアック”の謎解きに並々ならぬ関心を見せていくのだった。しかし、“ゾディアック”の凶行は密かに、断続的に、続いていく・・・。

実在のゾディアック事件に翻弄され続けた男たちを描きます。グレイスミスはパズル好きだったことが幸いし、暗号文を解いていきます。最初は興味だけだったのに、後には本格的に捜査の手伝いを始め、真実に迫っていきます。しかし、証拠がない。もどかしさからか、ドンドンとのめり込み、家族も蔑ろにしてしまい、家庭は崩壊。その言動には、執念さえも感じます。

刑事のトースキー(マーク・ラファロ)も同様にのめり込んでいきます。しかし、州を越えての捜査ができない現状に苛立ちます。お互いに握っている証拠も、外部には出さない。一向に捜査は進展しません。

1960年代に始まり、70年代、80年代・・・と続いていきます。それぞれの時代を反映させていく設定作りも興味深いです。自動車も様々なタイプが登場しますし、女性の衣装も古めかしい感じが良いです。遠景の映像ではCGが多用されているのでしょうが、時代を感じさせてくれます。

そして、最も現代と違うのは”暗さ”ではないでしょうか。現代は夜でも明るい繁華街が多くありますが、以前は都会にも暗さが残っていたのでしょう。その暗さを絶妙に活かした演出がなされています。冒頭の凶行のシーン(60年代)がその一つ。暗さを求めて車で山道を行きます。そこで、強烈な灯りを照らされる。光と影。暗さの中に見える表情に恐怖心が垣間見られます。他にも夜の闇に潜んでの連続殺人は続きます。

しかし、最も怖いと思わせてくれたのは、情報を求めてグレイスミスが地下室に降りたシーン。もしかして、この人が”ゾディアック”ではないのか?恐怖に足がすくみます。そして、後ろも振り返らずに、足早に家を立ち去ろうとしたとき・・・。

謎に触れてしまった者は、真実を知らずにはいられない。それは本作を観ている者も含まれているに違いありません。観る者、近づく者には何かが起こる・・・。スタイリッシュな映像と恐怖感を煽る演出。謎が謎を呼び、真実はまた闇の中。「この暗号は解いてはいけない」。

効果音が素晴らしいので、音響設備の整った劇場での鑑賞をオススメします。

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