« 白熱!AFCアジアカップ2007 | トップページ | 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」鑑賞 »

2007/07/23

「雲の中で散歩」私的映画考Vol.93

今日、ご紹介するのは「雲の中で散歩」です。アルフォンソ・アラウ監督作品。出演: キアヌ・リーブス(「イルマーレ」「リプレイスメント」)、アイタナ・サンチェス=ギヨン、アンソニー・クイン、ジャンカルロ・ジャンニーニ他。

戦争が終り、故郷に帰還した復員兵ポール・サットン(キアヌ・リーヴス)。彼を待っていたのは、港に出迎えにもこない冷めた妻と、彼女が勧めるチョコレートのセールスという仕事。消えうせた愛に傷つくポール。社用でサクラメントに向かった彼は列車の中でつわりに苦しむ女性ビクトリア(アイタナ・サンチェス=ギヨン)と出会う。

ビクトリアは大学教授の子供を宿していたが、捨てられ、故郷の葡萄園に帰ってきたのだという。このままでは家に帰れない。そこで、ポールは夫として一緒に帰ることに。しかし、待っていたのは厳格で封建的な父親の存在だった。

ラス・ヌベス=雲と言う名の葡萄園は限りなく美しいです。収穫の様子などは煌めく陽光が緑をより美しく見せてくれます。収穫したブドウを女性たちが踏みつぶすシーンでは、ビクトリアは無邪気に少女のように輝いています。それを見つめるポール。同じ時間を過ごしていく内に、次第に惹かれ会っていくふたり。しかし、ポールには妻が。もどかしくもせつない想いが交錯します。

由緒正しいメキシコの家系に生まれたビクトリア。人種や血統を重んじる父。そして、孤児だったポール。過去のないポールと400年以上の歴史のある家系・アラゴン家。戦争から帰ったポールには、ちっぽけでも幸せな家庭を築くのが夢だったのですが、アラゴン家で過ごす内に、家族の温かみを知り、そしてビクトリアに惹かれていきます。たった一日のつもりの立ち寄ったはずの場所。偽りの夫婦の芝居だったはず。

心優しい祖父(アンソニー・クイン)がとても良い味のある演技で存在感を出しています。ことあるごとにポールへ語りかけ、優しく導いていきます。本作に深みをもたらすひとつの要因になっています。

父は妻を愛し、家族を愛しているのですが、その表現が上手くできず、厳しくすることしかできません。そんな愛情表現が苦手な父親にもの申すのはポール。倉庫の中での口論となりますが、とても良いシーンです。

母の教えでもある「心の声に従う」ことは、ビクトリアにとって重要なことでした。心の声はポールを求めています。しかし、ポールはこの農園を、自分の元から去らなければならない人。自分を律して事の真相を父に打ち明けるビクトリア。そして、ポールは去っていきます。

数日を農園で過ごしたポール。それは、雲の中を散歩していたかのようでした。そして、新たな道を進もうと歩み始めますが、やはり、ビクトリアへの想いを絶ちきれず、農園へ戻っていきますが、そこには、以前にも増して頑なな父親が待っていました。そして、クライマックスとなる事件が発生!

雲の中=葡萄園=家族=幸せのカタチ=夢の中なのでしょう。永住の地を見つけ、そこにしっかりと根を生やし、家族を守り、愛し、生きていく。それが、ポールの新たな夢になっていくのでしょう。雄大なテーマの音楽も美しく、家族の大切さ、愛の尊さを描く感動のラブストーリー。

« 白熱!AFCアジアカップ2007 | トップページ | 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」鑑賞 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

私的映画考」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/102027/11808552

この記事へのトラックバック一覧です: 「雲の中で散歩」私的映画考Vol.93:

« 白熱!AFCアジアカップ2007 | トップページ | 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」鑑賞 »

2015年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ