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2007/07/01

「野蛮人のように」私的映画考Vol.90

今日、ご紹介するのは「野蛮人のように」です。川島透監督作品(「竜二」「チ・ン・ピ・ラ」)。出演:薬師丸ひろ子、柴田恭兵、清水健太郎、河合美智子他。

二十歳の作家・有栖川珠子(薬師丸ひろ子)は、夜の世界に生きる英二(柴田恭兵)と出会う。まったく違う世界で生きるふたりが偶然出会ったことから、ふたりはヤクザに追いかけられることになる。傷ついた英二を助けた珠子は、海辺のコテージにかくまうが、追っ手は近づいていた。

お嬢様育ちらしい世間知らずの珠子が踏み入れた世界は、見たことのない恐ろしい世界でした。そこはもう不思議の国。そして、その世界をさまようアリスのようです。それを表現していくように、ときおり、「不思議の国のアリス」のキャラクターがさりげなく登場します。

映像的にも光の輪郭がぼけるようなフィルターを使っていて、ネオンや街灯、花火等々、が幻想的に輝きます。ラスト近くの銃撃戦のさなか、飛び交う花火の中、歩み寄り踊るように舞う珠子と英二。美しく素敵なシーンです。ふたりの心がより近づいたシーンでしょう。

本作の魅力は、何より、良くできた構成。伏線があちらこちらに張りめぐらされていて、そのアイテムが、次々と絡み合っていき大団円を迎えます。昔、観たときは気がつかなかったのですが、今回あらためてDVDを観て、序盤でビルの外観に「DESIRE(欲望)」と言うネオンの一部が明滅していて、「DIE(死)」となっていました。これから始まる事件を暗示しているのでしょう。

反発しあうふたり。出会いは最悪。しかし、同じ目的、”逃げる”ことによってふたりは少しずつ分かり合っていきます。珠子は、傷ついた英二を看病し、健気に、かいがいしく料理をしたりしますが、上手くいきません(それがまた愛らしいのですが)。最後の晩餐。停電。ランプの灯りの中でふれあう手。そして、徐々に人間らしさを取り戻していく英二。不思議の国に迷い込んだのは英二だったのかもしれません。

緊張感のあるシーンから、幻想的な映像を楽しめ、そして愛を感じることのできるアクション活劇ラブストーリー。昭和60(1985)年公開ですが、今見ても、十分楽しめる作品です。

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