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2007/09/22

「アヒルと鴨のコインロッカー」私的映画考Vol.103

先日、「アヒルと鴨のコインロッカー」を観てきました。中村義洋監督作品。主題歌:ボブ・ディラン「風に吹かれて」。原作:伊坂幸太郎(「オーデュボンの祈り」「ラッシュライフ」)。出演:濱田岳、瑛太、関めぐみ、松田龍平、 田村圭生、関暁夫他。

仙台の大学に進学した椎名。ボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさみながら引越の片付けをしていた。すると、アパートの隣人・河崎に声をかけられた。「ディラン?」「そう、ディラン」ふたりの出会いだった。

招かれるままに河崎の部屋に入ると、唐突に本屋襲撃に誘われる。同じアパートに住むブータン人留学生が恋人を失って落ち込んでいるから「広辞苑」をプレゼントしたいのだと。なぜ自分がと困惑しながらもモデルガンを手に襲撃の手伝いをしてしまう椎名だったが・・・。

一種独特の雰囲気のある伊坂ワールドとも言える世界観を見事に再現している作品です。先日、WOWOWで放送されていた同じく伊坂幸太郎原作の「チルドレン」を観ましたが、独特の雰囲気を出し切れていませんでした。ですが、本作は仙台・宮城ロケを実施したことや、何よりも、配役が上手くいっているのが一番でしょう。伊坂ワールドの雰囲気を見事に醸し出しています。

なんとも情けない気弱な青年・椎名。横柄でヅケヅケとモノを言い、かなり強引な・河崎。謎のペットショップの店長・麗子。個性豊かな人物が登場します。椎名は何事にも流されやすく、とことん河崎に振り回されます。河崎は「ペットショップの店長・麗子には気をつけろ。信じるな。」と椎名に忠告します。かなり怪しげな人物に見える麗子。しかし、何倍も怪しいのは河崎の言動でした。

河崎はボブ・ディランを神様と崇めます。「風に吹かれて」が全編に流れ、エンディングが終わって映画館を出るときには、自然と口ずさんでしまいました。

描かれているのは、外国人に対する偏見や、役に立たない警察など理不尽なこと。原作小説を読むまで「アヒルと鴨」の違いなんて考えもしませんでした。確かに私自身も少なからず外国人に対しての偏見はあるかもしれません。しかし、そんなに変わるモノじゃないはず。理解しようとする気持ちが、努力することが大切なんだと思えます。

後半はグイグイと画面に引き込まれ、なんとも言えない緊張感、悲壮感、やるせなさが伝わってきます。原作物はどうしても、比較しがちですが、本作に限っては、原作を補ってあまりある作品になっています。

創元推理文庫「アヒルと鴨のコインロッカー」

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