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2007/09/03

「フェイス/オフ」私的映画考Vol.100

今日ご紹介するのは、区切の100本という事で、私の最も好きな映画「フェイス/オフ」です。ジョン・ウー監督作品(「ウィンド・トーカーズ」「M:i-2」)。出演: ジョン・トラボルタ(「ブロークン・アロー」「ソード・フィッシュ」)、ニコラス・ケイジ(「ワールド・トレード・センター」「天使のくれた時間」)、ジョーン・アレン、アレッサンドロ・ニヴォラ他。

かつて冷酷無比のテロリスト・キャスター・トロイ(ニコラス・ケイジ)によって最愛の息子を失ったFBI捜査官ショーン・アーチャー(ジョン・トラボルタ)。情報を掴み、飛行場での追走劇のすえ、とうとうトロイを捕らえる事に成功。しかし、トロイがLAのどこかに細菌爆弾を仕掛けている事が判明。トロイは昏睡状態。

トロイの部下もまったく情報を知らない。唯一の情報源は獄中にいるトロイの弟ポラックスだけだった。そこで、FBI特殊班はアーチャーにトロイの顔を移植し、ポラックスから爆弾の設置場所を聞き出そうとするが・・・。

善と悪とも言うべきふたり。憎むべき互いの顔を取り替えた二人の男の果てしなき死闘を描くバイオレンス・アクション。

二丁拳銃、飛び交う弾丸、つんざく轟音、飛び散る火花、スローモーション、激しい銃撃戦。独特の映像美で魅せる銃撃戦は、ダンスを舞うかのように美しく華麗。スローモーションを多用してのアクションシーンは、見応えがあります。見せるべきところは見せる。動きが速すぎて見えないのでは意味がありませんから。

狂気に満ちたキャスターの表情、ハイになっていく様、こういう、ちょっと病的な役をやらせたらニコラス・ケイジは天下一品です。ふたり分の役柄を演じ分けているわけで、それだけでも難しい演技なのでしょうが、その狂気の表情にはゾッとさせられます。逆に、今までは堅物だったアーチャーが、突然豹変。戸惑う家族、同僚たち。一心不乱にキャスターを追いかける捜査官が、おちゃらけた表情、仕草でおどけてみせる。この辺は、ジョン・トラボルタお得意の演技でしょう。

一番好きなシーンは、銃撃戦の中、キャスターの5歳の息子・アダムがヘッドホンをして佇む。下からの照明。飛び交う弾丸。ヘッドホンからは「虹の彼方に Over the Rainbow 」が聞こえてくる。トロイを見つけてそっと手を伸ばす。虹の向こうには争いのない平和な世界があるはず、いつか夢は叶う、そんな思いを感じます。アダムは希望の光なのでしょう。

ジョン・ウー作品には銃撃戦がつきものですが、そんな中には、平和な社会を望む想いが込められています。いくつかあるのですが、その代表的なモノが、白い鳩。鳩は平和の象徴なのです。バイオレンスはあくまで表現方法の手段。上記のシーンもその一つでしょう。

自分の顔をした宿敵。その宿敵に向かって銃口を向けるというのはどんな気持ちなのでしょう。ふたりが鏡越しに対峙するシーンがあります。お互いに鏡に自分の姿を映しますが、それは宿敵の姿。それが正しい姿なのですが、複雑な心理状況を表現している良いシーンです。

ズバリ泣き所は、ラストシーン。壊れかけていた家族が、再びひとつになる感動的なシーンです。このラストシーンのために、6年前に始まるここまでのストーリーすべてがあったと思えるシーンです。映画館で初めて本作を観たとき、涙が頬をつたいました。ウルウルと来ることは何度かありましたが、ホントに涙が頬をつたったのは本作が初めてでした。おまけに何度見てもラストで泣いてしまいます。今回、あらためてDVDを観ましたが、今回も、もれなく涙が溢れました。

ショーンが、家族の顔を手の平で、指先で上から下へなぞる仕草が素敵です。家族の証なのでしょう。その仕草はいたるところで見られ効果的に使われています。もちろんラストシーンにも。

本作はバイオレンス・アクション作品ではありますが、様々な愛のカタチが含まれています。兄弟愛に家族愛、夫婦の愛。ダメな弟・ポラックスの靴ひもを結んでやるキャスター。それが彼なりの愛情表現なのでしょう。好きなシーンのひとつです。

ジャンルと言うのはあくまで、映画の舞台になるストーリーを区分けしているだけで、だいたいの映画は人間が主人公で、人間とは何であるか?を描くために、何かしらのメッセージを持っています。それを表現するための手段がジャンルなのでしょう。だから、どんな作品でも、そのメッセージを受け取るように心掛け、感情移入して、感受性をフル活用して鑑賞する。そこには、自分の境遇や人生経験等々が重ねられ、様々な想いが駆けめぐることでしょう。その上で、ほんの小さな事でも良い、何かひとつでも受け取れるモノがあれば幸いなことです。

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