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2007/10/10

「シッコSiCKO」私的映画考Vol.106

先日、「シッコSiCKO」を観てきました。監督・脚本・製作 :マイケル・ムーア(「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」)によるドキュメンタリー作品。

アメリカの医療保障制度がどんなモノかと言うことをまったく知らなかった。日本では公的な健康保険制度があり、多くの人は、保険料は給与から天引きされ、病院に行けば、3割の医療費を払うと言うのが常識。

しかし、アメリカではそうではない。民間の医療保険会社があり、公的な保険制度はない。医療保険にはいるためには条件を満たさなくてはならない。したがって、加入できない人も沢山いる。無保険者である。当然、病院に行けば10割の高額な医療費を請求されるわけで、払えなければ医者に診てもらうことはできない。5cmほどの傷口を自分で縫うケガ人はなんとも生々しい。

医療保険に入っているからと言って安心はできない。病院に行くには保険会社の許可がいる、手術するには許可がいる、救急車を呼ぶには事前の許可がいる。緊急だから救急車を呼ぶわけで、そんな時に事前の承認など得られるわけがない。

医療保険会社に属する医者は、被保険者からの申請を却下するのが良い医者だ。人を救うのが医者の役目のはずなのに、会社の利益に貢献するのが医師の役目なのだ。

と言う風なアメリカの医療保障制度をめぐる状況をまずは描きます。その後は、カナダ、イギリス、フランスという国々の「国民皆保健」についての取材。お隣のカナダでは医療費は無料。それが当たり前。皆が国に保険料を納め、富める人も貧しい人も、平等に医療を受けられるのだ。助け合いの精神。イギリス・フランスも同様。なぜこんなにも違うのか?なぜアメリカでは「国民皆保健」が成り立たないのか?自由の国アメリカは、医療を受けるか否かも自由だというのか?

9・11事件の救助に携わった人々にもスポットを当てます。ボランティアで参加した人々で、肺病に苦しむ人が沢山います。医療保険の関係で医療を受けられないのです。英雄のはずの人々なのになぜ?多くの人々を引き連れ、アメリカの敵国・キューバへ。キューバもまた、「国民皆保健」の国でした。

様々な問題を含みつつ、時にユーモラスに、時に辛辣に、時に感動的に、時代を切り裂きます。医療というのは大きな問題。国民が健康であれば、生産性も上がり、国益も上がる。そして、それをまた国民に還元する。それが平等というモノのように思えます。自由の国・アメリカ、アメリカン・ドリームの国なんて言われても、国民あっての国ですから、国策として、ここらで、国民への配慮をする事を考えるのも良いことなのかもしれません。

日本もアメリカに比べれば良い健康保険制度と言えるでしょうが、まだまだできることはあるんでしょうね。いずれにしても”健康が一番”と思わせてくれる作品でした。

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