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2007/11/08

「長江哀歌」鑑賞

先日、「長江哀歌(エレジー)」を「ワーナーマイカルシネマズ新潟南(イオン新潟南ショッピングセンター内)」にて観てきました。ジャ・ジャンクー監督作品。出演:チャオ・タオ、ハン・サンミン他。2006年ベネチア国際映画祭金獅子賞グランプリ受賞作品。

三峡ダムの建設のため、いずれは水没していく運命にある町、奉節。ハン・サンミンは遠く山西省から16年前に別れた妻子を探しにやってきた。訪ねてみた住所はすでに川の中。ダム建設のためにすでに水没していたのだ。様変わりしてしまった町で、サンミンは建物の解体作業の仕事をしつつ、妻の手がかりを得て、待ち続ける。そして、もうひとり山西省からやってきた女がいた。2年間音信不通の夫を探しに来ていたのだ。

世界最大のダムになるという中国・三峡ダム。経済発展の面からすれば人々に大きな貢献をもたらすはずですが、その流域に住む100万人以上の住民が移住を強いられているのが現実。その町には、解体作業のために地方から多くの出稼ぎ労働者が集まっています。その中に混じって仕事をするサンミン。何を思ったか16年前に別れた妻と娘に会いに来たのです。

その町でサンミンは、宿屋の主人や「男たちの挽歌」のマーク役のチョウ・ユンファに憧れるチンピラ、多くの作業員たちと交流していきます。作業員たちは、蒸し暑いためか、皆、半裸状態。真っ黒に日焼けし、汗が滲み出ています。物静かなサンミン。言葉数も少ない。この辺りは、一種独特の雰囲気、間合いで綴られていきます。サンミンがオフで台詞を言い、会話の相手を映し出すという不思議な編集です。カメラをあえて切り替えずに雰囲気を優先しているのでしょうか。

世の中は変化を望む人々ばかりではなく、今まで通りの生活を、住み慣れた土地で過ごしたい人々も多くいるのでしょう。「発展」は何を生むのでしょうか。霧と雨に煙る町。そこは発展と言う現実から取り残された幻の町なのかもしれません。そして、いつかは水の底に沈み、消え行く運命。だからこそ、その町での出来事は、どこにでもある現実感があり、そして、哀しさを漂わせているのでしょう。

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