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2008/02/17

「ラスト、コーション」私的映画考Vol.122

先日、「ラスト・コーション」を観てきました。アン・リー監督作品(「ブロークバック・マウンテン」「グリーン・デスティニー」)。出演:トニー・レオン(「HERO」「インファナル・アフェア」「2046」)、タン・ウェイ、ワン・リーホン、ジョアン・チェン、トゥオ・ツォンホァ他。2007年ヴェネチア国際映画祭グランプリ(金獅子賞)受賞作品。

1942年、日本軍占領下の上海。傀儡政府のスパイのトップであるイー(トニー・レオン)は、かつて香港で出会った女性・マイ夫人(タン・ウェイ)と再会する。4年前、学生だったワンは、抗日に燃える演劇仲間たちとイーの暗殺計画に加わっていた。レジスタンス活動を行う組織は、上海に戻っていたワンに再びイーの暗殺計画への協力を求める。ワンはイーに近づき、彼の愛人になることに成功。やがて二人は・・・。

女スパイとして抗日活動に没頭していくマイ夫人ことワン。最初は演劇仲間と抗日を題材にした舞台を演じていたが、その成功に気をよくした仲間たちは、もっと大きな事を成し遂げたいと思うようになります。そして、思い付いたのはイーの暗殺。一度は失敗したモノの上海で二度目のチャンスに懸けるべく、再訓練を受け、イーに近づきます。

丹念に描かれた背景を、人の間に揺れ動く細やかな感情と共に描きます。新人のタン・ウェイ演じるマイ夫人=ワン・チアチー。表情の変化が良いです。あどけない表情から、憂いのあるどこか悲しげな表情、何かを企むような妖艶な表情。そして、その中にある厳しさ。それは自分に対する厳しさ、戒めのキモチでもあるかのようです。

4年前の発端となった出来事をここまで描く必要があるのかとも思いましたが、それは、現在の状況へと大きく係わっていきますので、確かに必要だったのでしょう。

次第に惹かれ会っていくイーとワン。明日をも知れぬ厳しい時代を、最も厳しい立場で生きたであろうふたり。肌を重ね合わせる時だけが、真実、心を許せる時間だったのでしょう。現実から唯一解放される瞬間。おぼれていくふたり。その愛は、真実なのか?それとも・・・。そして、最後にとったワンの行動とは・・・。

当時の上海を見事に描き、その時代を生きた人々を活き活きと描き、その中に見せる苦悩・葛藤を描いた物語は、迫力とも言える力を持ち、そして、衝撃のラストへと続きます。そこに、愛はあったのか?そこに何を求めていたのか?そこはかとない感動を味わえる作品です。

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