« 続々・お昼休みもDVD鑑賞 | トップページ | 「再会の街で」鑑賞 »

2008/02/23

「潜水服は蝶の夢を見る」私的映画考Vol.124

先日、「潜水服は蝶の夢を見る」を観てきました。ジュリアン・シュナーベル監督作品。原作:ジャン=ドミニク・ボービー、出演:マチュー・アマルリック、マリー=ジョゼ・クローズ、マックス・フォン・シドー他。第80回アカデミー賞主要4部門ノミネート作品(監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞)。

病院のベッドで目を開けたジャン=ドー(マチュー・アマルリック)は、自分が何週間も昏睡状態だった事を知る。そして身体がまったく動かず、言葉も発せない。唯一動かすことができるのは左目だけ。ジャン=ドーは雑誌「ELLE」の編集長で、三人の子どもの父親。まさに人生を謳歌していた。が、ある日突然倒れたのだ。彼は言語療法士の導きにより、目のまばたきによって意思を伝える事を学ぶ。やがて彼はそのまばたきで自伝を書き始めるのだが・・・。

前半は、ほぼ全編が、主人公ジャン=ドーの見た目の映像で構成されています。意識はあるのに、身体がまったく動かないジャン=ドー。その症状はロックトインシンドローム(閉じ込め症候群)と呼ばれていました。それは、重たい潜水服を着ているかのごとく。そして、夢を見ます。さなぎがいつか蝶になって空を自由に飛び回ることを。どんなに気持ちいいだろうと。

最初は自分を憐れんでいたジャン=ドーでしたが、あることに気づきます。左目以外にも麻痺していない部分があると。それは、記憶と想像力でした。記憶は縦横無尽に飛び、想像力は無限なのです。動くのは左目だけという絶望的な状況の中でも、生きる希望を見出したのです。そして、”瞬き”だけで自伝を書き始めます。イエスは瞬き1回、ノーは瞬き2回。瞬きの合図でアルファベットを綴っていきます。それは周りの人の協力無しでは出来ないことでした。

後半は広がる想像力を表現するかのごとくカメラは自由に動き、ジャン=ドーの心情を視覚化したその映像は素晴らしいです。そして、少しずつですが、身体が動き始め、言葉らしきモノが発せられますが・・・。

鑑賞しながら、人生とは何だろうという想いが駆けめぐります。自分がジャン=ドーのようになった時に何が出来るのだろう。絶望を乗り越えられるだろうかと。未来を描けるのだろうか。

絶望を乗り越えた時、想像力は無限の力を発揮する。人間の可能性には限りがないのだと。たとえ身体は動かなくとも魂は自由なのだと。命の尊さ、そして人間の優しさ、暖かさを感じ、今一度、人生を見直せる感動作です。20万回の瞬きで自伝を綴った、奇跡の実話。

« 続々・お昼休みもDVD鑑賞 | トップページ | 「再会の街で」鑑賞 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

私的映画考」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/102027/40183051

この記事へのトラックバック一覧です: 「潜水服は蝶の夢を見る」私的映画考Vol.124:

« 続々・お昼休みもDVD鑑賞 | トップページ | 「再会の街で」鑑賞 »

2015年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ