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2008/03/24

「カンバセーションズ」私的映画考Vol.129

先日、「カンバセーションズ」を観ました。ハンス・カノーサ監督作品。出演:ヘレナ・ボナム=カーター(「スウィーニー・トッド」「チャーリーとチョコレート工場」)、アーロン・エッカート(「ブラック・ダリア」)、ノラ・ザヘットナー、エリック・アイデム他。

ウェディング・パーティで、少し場違いな雰囲気を漂わせ、退屈そうにしている彼女。おもむろに席を立ち、タバコの吸える場所を探し始めた彼女をじっと見つめる彼。やっとホールの隅に居場所を見つけた彼女に、彼が近付く。まるで初対面のように振る舞う二人だが・・・。

ほとんどがふたりの会話で物語は進みます。それを画面中心から左右にわけた“デュアル・フレーム”で見せます。それは、彼と彼女のクローズアップであったり、ふたりの現在と過去であったり、同時に同じ人物を映したり、それは言葉には表せない本音のようにも見えるし、夢想のようでもあります。

確かに、向かい合って会話をする場合、カメラの切り返しによって、喋っている人の表情を映します。が、本作の場合、同時にカメラがふたりを映してていますから、喋っている人、聞いている人、それぞれの表情、こころの揺れ等を同時に見ることができるのです。相手の台詞を聞いた瞬間の表情の変化も見てとれると言うわけです。どちらを見るかは個人に委ねられる訳です。

退屈なウエディングパーティの席で、ぎこちない会話を始めた男と女。二人には、思いもよらぬ過去の因縁があるのですが、多少、無理のある芝居じみた言動に本気で付きあうのがオトナの駆け引きなのかもしれません。

最後に一瞬だけ、画面が一緒になります。気持ちが繋がっているのかもしれませんが、今の現実がそれを許しません。因縁のあった彼女が、なぜ、結婚式に来たのか?彼は、彼女が自分に会いたかったのではと言う思いがずっとあったのでしょうが、そんなはずはないとも思っていたのでしょう。

若かりし頃の想い出。それは美しくもあり、不鮮明であり、確実性にも欠ける。幸せになるのは難しい。ふたりの想いは過去への感傷か、それとも愛なのか。ふたりのこころは一瞬ふれあって、そして、二度と再び近づくことはないのでしょう。自然な会話の連続で綴られ、揺れ動く感情を見事に描いた大人のラブストーリー。誰しも、過去の恋愛を振り返ってしまうようで、じんわりと心に響く作品です。

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