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2008/03/20

「Sweet Rain 死神の精度」私的映画考Vol.128

Sweet Rain 死神の精度 コレクターズ・エディション

先日、「Sweet Rain 死神の精度」の試写会へ行ってきました。筧昌也監督作品。原作:伊坂幸太郎(「アヒルと鴨のコインロッカー」「ラッシュライフ」「オーデュボンの祈り」)、出演:金城武、小西真奈美、富司純子、光石研、石田卓也、村上淳、奥田恵梨華、吹越満他。

死神の仕事は、7日間の観察期間の後、「実行」か「見送り」かを判断すること。人が不慮の死を迎えるかどうかの判断である。人間界での楽しみは、CDショップで、“ミュージック”を聴く事である。死神・千葉(金城武)の今回の「ターゲット」は、27歳の一恵(小西真奈美)。家族を亡くし、恋人にも先立たれた薄幸の女性だ。電器メーカーに勤務している彼女はクレームの電話対応だったが、しつこいクレーマーはストーカーまがいの行為に出るのだが・・・。

どこか間が抜けている死神のすっとぼけた感じが面白いです。ピントがずれていて、「雨男は雪男の仲間か?」なんて真顔で聞いてしまいます。金城武の怪演が不思議なおかしさを醸し出しています。死神は皆、無類の音楽好きで、音楽を聴いているときが至福の時です。千葉の名言「ミュージックは人間最高の発明品」。

千葉は雨男で、地上で仕事をするときには、いつも雨が降っています。そのため、いまだかつて青空を見たことがないのです。原作小説を読んでいる時でも、「なんで、千葉の上にだけ雨は降り続けるのだろう」と思っていました。が、それはラストシーンのためにあるのでした。

相棒の黒い犬は原作には登場しない映画オリジナルのキャラクター。上司らしいのですが、こちらもとぼけた感じを出しています。

物語は、過去、現在、未来と進みます。仕事に現れる度に千葉の姿は変わります。1985年、2007年、2028年と時代は移り変わっていきますが、小道具などで説明をしていきます。千葉が聞くミュージックも、カセットテープののウォークマン、8cmのCDシングル、iPod、と進化していきます。

千葉はいつも担当する人間に対して「死ぬことについてどう思う?」と質問します。千葉には人間がいつの時代、どんな状況においても繰り返す愚かな行為の意味が分からないのです。そんな千葉と共に様々な出来事に遭遇しながら、人間の生きる意味、情熱を感じ、そして、人はなぜ生きるのか、なぜ死ぬのか、人間とは何かを学んでいきます。

そして、死は特別なことじゃなく大切なことと気づきます。どんなにつらく厳しい状況でも、希望はあるのです。止まない雨はないのですから。生命の尊さを描きつつ、人間まだ捨てたモノじゃないと思わせてくれます。そして、人間の優しさに触れた気がしました。原作小説は6編からなる連作短編集となっていますが、その中から少し構成を変えて作られた本作。死神・千葉の仕事はこれからも続きます。

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