« プリウスくんが行く!Vol.56 | トップページ | 「サルバドールの朝」私的映画考Vol.136 »

2008/05/06

「ボルベール<帰郷>」私的映画考Vol.135

先日、DVDで「ボルベール<帰郷>」を観ました。ペドロ・アルモドバル監督作品。出演:ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス、ブランカ・ポルティージョ、チュス・ランプレアヴェ他。第79回アカデミー賞主演女優賞ノミネート(ペネロペ・クルス)。

失業中の夫の分まで働く、気丈で美しいライムンダ(ペネロペ・クルス)。だが彼女の留守中、夫が娘パウラに関係を迫り、抵抗した娘は勢いあまって父親を殺してしまう。そんな中、「故郷の叔母が死んだ」と知らせが入る。叔母の葬儀のため帰郷したライムンダの姉ソーレ(ロラ・ドゥエニャス)は、死んだはずの姉妹の母(カルメン・マウラ)の亡霊と出会うのだが・・・。

大昔に死んだはずの母の亡霊、二人の娘、孫娘、叔母、隣人の6人の女性が登場します。ライムンダは、気丈で、情熱的。姉のソーレはお姉さんらしく気を使う。叔母の家の隣人アグスティナは、叔母に良くしてくれるのですが、母親の失踪を気にしていますが、自分もガンであることを告知され意気消沈。

あいかわらずストーリーを知らずに観ているので、突然の二つの死に物語の出演者と同様に驚きます。伏線が見事で、あらゆることが後で効いてきます。俯瞰の映像で包丁を洗うシーンが冒頭にあるのですが、弾みで父親を殺してしまう娘の悲劇を暗示しています。

死んだはずの母親が帰ってくるあたりからは大林宣彦監督作品「ふたり」のようなファンタジックな内容かと思わせますが、ところが、そこには笑いと涙と、悲しい秘密=過去が隠されていたのです。

人は皆、後悔を持ち生きている。そして、過去と対峙することを恐れ拒絶するが、過去とあらためて向き合うことによって、赦すことが出来、新たな自分に出会えるのに違いありません。それこそが魂の帰郷なのかもしれません。

6人の女性たちの姿を通して、女性のたくましさと母性、そして、尊敬と賞賛をこめて描いていて、そこはかとない感動を味わえる作品です。

« プリウスくんが行く!Vol.56 | トップページ | 「サルバドールの朝」私的映画考Vol.136 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

私的映画考」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/102027/41097498

この記事へのトラックバック一覧です: 「ボルベール<帰郷>」私的映画考Vol.135:

« プリウスくんが行く!Vol.56 | トップページ | 「サルバドールの朝」私的映画考Vol.136 »

2015年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ