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2008/05/07

「サルバドールの朝」私的映画考Vol.136

先日、DVDで「サルバドールの朝 」を観ました。マヌエル・ウエルガ監督作品。出演:ダニエル・ブリュール(「グッバイ、レーニン!」)、レオノール・ワトリング、レオナルド・スバラグリア、ホエル・ホアン、セルソ・ブガーリョ他。

1970年代初頭、フランコ独裁政権末期のスペイン。青年サルバドール(ダニエル・ブリュール)は、仲間たちと反体制運動に身を投じていた。資金調達のため銀行強盗を繰り返す彼らに警察の捜査の手が伸び、サルバドールは逮捕される。瀕死の重傷を負いながらも一命をとりとめたサルバドールだったが、彼が放った銃弾で警官が命を落とした。そのことによりサルバドールは死刑を宣告される。そして、運命の朝がやってくる・・・。

前半は逮捕までの過程を回想シーンで綴り、反体制運動はどんな風に行われ、サルバドールがどう係わっていったのかが描かれます。後半は刑務所内の出来事が中心で、看守ヘスス(レオナルド・スバラグリア)とのかかわり、そして、父と息子との関係が描かれます。

”フランコ政権”と言う言葉は聞いたことがありましたが、実際にどんな状況であったのかは知りませんでした。反体制運動の実際の映像も盛り込まれていますが、その過激さは悲惨でもあります。そして、死刑宣告。他のグループによるフランコ暗殺に対する報復とも言える判決でしたが、こんなことが三十数年前に実際にあったのです。

確かに、サルバドールたちの行為は、元恋人を危険にさらしたり、武装して銀行を襲うことは、許されることではありません。がしかし、暴力団まがいの警察や不当な裁判も含め、恐怖と暴力で人を押さえつけることは、さらに許されることではないはずです。そんな体制に対して、志を持ったず若者でしたが、力の前に屈してしまうのでした。

しかし、死刑執行の朝は近づきます。恩赦を得るために弁護士を始めとした周囲の人々が、サルバドールのために奔走します。最後まで諦めない姉妹たち。そして、運命の日が明けていきます。夜明けの空が赤く、蒼く染まり、せつなく滲みます。

正義と自由を信じ、世界は変えられると理想に燃えていたサルバドールは、国のため礎となったのでしょうか?悲しみの雨は今日も降り続ける。真実に基づいた物語は、なんとも言えない迫力も持ち、悲しい気持ちは深く残っていきます。

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