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2008/07/02

「プルミエール 私たちの出産」私的映画考Vol.150

先日、「プルミエール 私たちの出産」を観てきました。ジル・ド・メストル監督作品。

皆既日食の日。メキシコのガビーは、イルカと一緒の水中出産を希望する。1日120人以上の子供が生まれる産院で出産するベトナムの女性たち。仲間に囲まれて自然分娩に臨むアメリカのヴァネッサ。臨月でもステージに立つフランスのダンサー、サンディ。貧困の中で命がけの出産に挑むインドのスニータ。自分の母と同じく、昔ながらの介助出産を選んだ日本の由紀子。真っ暗な夜の砂漠で出産する遊牧民マニ。世界10カ国の女性たちの出産前後をカメラに収めたドキュメンタリー作品。

皆既日食の日、出産が増えるといいます。太陽と月と地球の関係で皆既日食は起こるのですが、その引力バランスは人間の身体にも影響を及ぼします。満月や新月の日に出産が多いとも言われていますし、海亀の産卵は決まって新月の夜。少なからず地球上の生命は、太陽と月の力を受けています。そして、本作はその皆既月食の日の出産として構成されています。

一日に120人以上の子どもが生まれると言うホーチミンの病院。それはまさに戦場のようです。赤ちゃんがあれだけ生まれたら取り違えることもあるに違いありません。その様子が、流れ作業のように編集される映像。

その機械的な行為を嫌う人もいるのです。それが自宅出産。医師も助産師も立ち会わず友人たちに見守られての出産。それも考え方の一つなのでしょう。危険なこともあるには違いありませんが、人ぞれぞれの出産のカタチなのでしょう。

イルカの立合出産。まあ、実際にはイルカは立っていないのですが、水中出産をイルカ立合の元で行ういたいというのです。イルカには人を癒す効果があると言われています。鳴き声が、優しい瞳が、妊婦を、そして胎児を癒してくれるのです。

また、劣悪な環境での出産もあります。砂漠の民は砂の上で産むのが伝統なんだとか。砂の上と言っても、何か敷くのだろうと思っていると、まったく敷物もなく本当に”砂の上”なのです。衛生的にどうだろうと思いますが、それがしきたりなんだから仕方がない。

インドもまた、貧困に苦しむ環境がありました。産院へは行けず、産婆さんの元へ。それもまた、お国の事情。

国が違えば文化が違います。そうすると出産に対する考え方も違ってきます。出産に対しての考え方は、出産スタイルの違いへと通じ、それぞれの個人の考え方を色濃く繁栄していきます。

不安、激痛、そして新しい生命の誕生。国によって違いはあっても、新しい生命の誕生の瞬間、顔を輝かせる女性たちの表情は一様に美しいです。そして、すべての赤ちゃんは、たくさんの人々から祝福されて生まれてくるのです。生命の神秘を垣間見た瞬間でした。どうして赤ちゃんを見る眼はあんなに優しく幸せに満ちているのだろう。見終えると優しい気持ちになれる、感動的なドキュメンタリー作品です。

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