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2008/07/03

「西の魔女が死んだ」私的映画考Vol.151

先日、「西の魔女が死んだ」を観てきました。長崎俊一監督作品。原作:梨木香歩(「からくりからくさ」「ぐるりのこと」「裏庭」)。出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実他。

中学生になったばかりのまい(高橋真悠)は不登校になった。そんなまいに、ママ(りょう)はおばあちゃん(サチ・パーカー)のもとでひと夏を過ごすことを提案する。魔女の血筋を引くというおばあちゃん。野菜やハーブを育て、昔ながらの知恵を活かしながらの生活をしていた。それは、まいにとって新鮮に感じられた。そして、いつしかまいの“魔女修行”が始まる。早寝早起きし、食事をしっかり摂り、規則正しい生活をするというシンプルなもの。そんな暮らしは、やがてまいの心にも変化を起こさせていくのだったが・・・。

「魔女が倒れた。もうダメみたい」中学3年になった少女まいのもとに、突然の知らせが届く場面から始まります。"魔女"とはまいの祖母のこと。英国人のおばあちゃんは、森の中でひっそりと一人暮らしをしています。そして、2年前のおばあちゃんの家で過ごした夏の日々へと想いはめぐります。

おばあちゃんの暮らす家は静かな森の中にあり、外観は洋風の木造家屋。庭には色とりどりの花が咲き乱れ、畑には様々な作物が実を付け、鶏小屋からは元気な鳴き声が聞こえます。家の中に入れば和洋折衷の家具があり、屋根裏部屋への階段は鍵型に曲がっています。それはもう宮崎駿作品に出てくるような素敵な空間。

森の木々はどこまでも美しく、陽光に煌めきます。また、霧に煙る森も静かに優しくまいを見守っていてくれているよう。空はどこまでも青く、澄みきっています。音楽も美しく、背景の映像を引き立てています。

裏山を散歩し、野いちごを摘み、収穫したいちごを洗い、煮詰めてジャムを作ります。おいしそうなジャム。しゃりっと言うトートスト。食事のシーンでは効果音が大きめになっているようで、おいしそうに映ります。

まいは「早寝早起き、食事をしっかりとって、よく運動すること」が、どんなに大事かを教わります。料理、掃除、洗濯、庭づくり・・・そんなごく当たり前のことが大切なんだと。それが、「魔女修行」でした。まいはおばあちゃんとの生活のなかで、自然と触れ合ういながら、強さや、優しさ、希望を見出していきます。そして、それは、「生きる楽しさ」の再発見となっていくのです。

おばあちゃんは、いつもまいを優しい瞳で見つめます。そして、迷うまいに対して、そっと背中を押してあげます。それは行くべき道を照らしているようです。

「西の魔女」と呼ばれるおばあちゃんと少女との、 驚きと愛に溢れたかけがえのない時間。自然の共に、ありのままに生きる。そして自分の意志を強く持ち、魂を成長させる。それが生きると言うこと。死という事を前向きに捉え、大きな優しさと愛に満ちた作品。ラストシーンは感動で涙が止まりません。

「草や木が光に向かって伸びていくように、魂は成長したがっているんです」優しいおばあちゃん声が今でも聞こえる・・・。

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