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2009/07/21

「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」私的映画考Vol.194

先日、「スカイクロラ」をブルーレイディスクで観ました。押井守監督作品。原作:森博嗣。声の出演:菊地凛子、加瀬亮、谷原章介、竹中直人、榊原良子、栗山千明他。

永遠に年をとらない「キルドレ」のユーイチ(加瀬亮)は、新たにパイロットとして配属となった。過去の記憶があいまいな彼だが、初めて乗る機体も身体に馴染み、エースの座に着く。基地司令のスイト(菊地凛子)はそんなユーイチを複雑な眼差しを向けていた。そんなある日、同僚のパイロット、ユダガワが撃墜され死亡してしまう。墜とした相手は、「ティーチャー」と言う敵のエースパイロットだった。

いつかどこかの世界。戦争らしきモノが行われている。それは、戦争請負企業同士が繰り広げる戦争だった。思春期の姿のまま、永遠に戦い続ける子供たち「キルドレ」。自殺するか、殺されるか、撃墜されることでしか死ぬことのないキルドレ。戦いの中にしか生きているという実感を得ることができない、悲しい存在。そんな切ない感情を押し殺したような人々を、淡々と描きます。

繰り返しの人生。日常は重たくて、湿っぽくて、息苦しくて、耐えられない。生きているのが辛くなるのも、分かる気がします。生きるとはいったい何なのだろう。生きることに意味はあるのだろうかと思えてしまいます。ユーイチは、「明日、死ぬかもしれないのだから大人になる必要はない」とも言います。漠然とでも、終わりがあるから、どんなに辛い人生でも生きていけるのかもしれません。

永遠に続く日常と、非日常である戦闘。雲の上にいるときだけ、本来の自分を実感し、人間として生きる事を感じ、充実感や高揚感を得ているのでしょう。

緻密に書き込まれた背景。CGで描かれた戦闘機。空中戦のスピード感は圧巻です。澄み渡る青空。流れる雲。ブルーレイディスクの映像は鮮明で、雲の濃淡を細かやかに再現しています。スカイウォーカーサウンドが作り出した音響もさすがで、迫力のある戦闘シーンを作り出しています。

繰り返される日常が細部にわたって描かれています。アニメーション作品では希に見る細かな演技が施されていて、そこから伝わる人間らしさが、また痛々しくもあります。

同じ道を歩くような、繰り返しの日常。それでも、観るモノも、歩く場所も違うはず。だからこそ、生きるすべはあるかもしれない。が、何を糧に生きていけばいいのか。何かを変えることができるのか。生きるのが難しく思えるような今の時代。「キルドレ」たちの姿が今の若者たちに重なります。

そして、また、何度目かの戦場が始まる。

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