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2009/07/02

「ある公爵夫人の生涯」私的映画考Vol.193

先日、「ある公爵夫人の生涯」を観てきました。ソウル・ディブ監督作品。出演:キーラ・ナイトレイ(「つぐない」「プライドと偏見」)、レイフ・ファインズ(「愛を読むひと」「ナイロビの蜂」)、シャーロット・ランプリング、ヘイレイ・アトウェル、ドミニク・クーパー他。第81回アカデミー賞衣裳デザイン賞受賞作品。

18世紀後半、イギリス。貴族の家に生まれたジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)は、世界で最も裕福な貴族の一人、デヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)のもとに嫁ぐ。しかし、公爵は妻に特に愛情を示すこともなく、「世継ぎ=男児を産むこと」だけを彼女に望むのだった。さらに公爵は愛人が産んだ幼い娘の世話をジョージアナに押し付け、その後、彼女が産んだ娘には何の興味も示そうとはしなかった。

結婚に理想を描いていたジョージアナは、まもなく厳しい現実に直面します。夫からの愛を感じることさえなく、ただ、世継ぎを産むことが結婚の目的なのでした。まもなく子宝に恵まれはしましたが、女の子が続き、男児を産むことにはなりませんでした。

同じく結婚に苦労していた友人・エリザベスが同居することになりますが、いつしか、夫と関係を持つようになってしまいます。この時代の貴族は何でもありなんですね。当主が強権を発動したら、どうしようもありません。なすすべなく従うしかないのです。怖い怖い。自由とはいったい何なのか、というのがテーマの一つにはなっているのでしょうが、時代がそうさせたのか、理想と現実はほど遠いものなのです。

映像としてボケミを効果的に使っています。背景をボケさせたり、手前人物をボケさせたりというシーンは、いくつかありますし、窓ガラスからのぞき見る風景、人物がかすんで、ぼやけて見えるシーンは印象的でした。最初は、この時代の窓ガラスはこういうものなのかと思っていましたが、途中でハタと気づきます。この映像は、かごの鳥が自由な世界を垣間見た様子を表現してるのではないかと。

自由な夢のある生活を描いていたジョージアナでしたが、現実の生活は夢も希望もない、抑圧された生活でした。夢見る世界は現実には存在しないのです。それが、たとえ不幸な結婚だったとしても。

イギリス中の人々から愛されたジョージアナ・スペンサーは、ダイアナ元王太子妃の直系の祖先でもあるんだとか。実話の映画化だけに、さらに怖い思いは増します。華やかな生活の中で抑圧さて続けましたが、真実の愛を求め続けたジョージアナ。スキャンダラスな貴族社会が描かれていますが、ラストには少しだけ救いもあり、ホッとします。

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