« 「週刊 手塚治虫 創刊第15号」鑑賞 | トップページ | ルームリンクで家中ホームシアター Vol.3 »

2009/09/22

「フロスト×ニクソン」私的映画考Vol.197

今日、ご紹介するのは「フロスト×ニクソン」です。ロン・ハワード監督作品(「天使と悪魔」「ビューティフル・マインド」)。脚本・原作・製作総指揮:ピーター・モーガン。出演:フランク・ランジェラ、マイケル・シーン、ケビン・ベーコン、レベッカ・ホール、トビー・ジョーンズ他。第81回アカデミー賞、監督賞、作品賞、主演男優賞(フランク・ランジェラ)他ノミネート作品。

1974年、ウォーターゲート事件で失脚したニクソン大統領(フランク・ランジェラ)。その辞任中継の視聴率の高さに目をつけた英国人気テレビ司会者・フロスト(マイケル・シーン)は、ニクソンへの1対1のインタビュー番組を企画する。ニクソン側も扱いやすいフロスト相手のインタビューを利用して名誉回復するため、法外なギャラで出演契約を結んだ。フロストは事件に対する謝罪の言葉を引き出すべく、ゼルニックとレストンをブレーンに迎え、質問の練り上げ作業に入るのだが・・・。

歴史に疎い私は最近の事件とも言えるウォータゲート事件やニクソン大統領について、名前くらいは知っていましたが、詳細については全く知りませんでした。本作の題材となったニクソン大統領のインタビュー番組があったことも。そして、それが、アメリカ・テレビ番組史上最高の視聴者数をはじき出したという伝説のインタビューだったことも。

英国テレビトーク番組の人気司会者フロストは、英国とオーストラリアで番組をもっていましたが、アメリカ進出をもくろんでいました。一方、汚名返上にかける元大統領は、この番組を足がかりに政界復帰を画策していました。それぞれの思惑を秘めながら、物語は展開していきます。

インタビューにこぎ着けるまでも大変でしたが、いざ、収録が始まってみると、ボクシングの試合さながら、言葉と信念をぶつけ合い熾烈なトークバトルとなります。1ラウンドから3ラウンドまでの判定は圧倒的にニクソン。老獪さと狡猾さを備えた稀代の策士であり弁論家でもあるニクソン。それなりに自信を持っていた野心家のフロストでしたが、たじたじです。

一日目、二日目、三日目と収録が終わった後のニクソンの晴れやかな表情は、策士が満足ゆく結果を得たと言うことでしょう。そして、迎えるラストラウンド。逆転はあるのか?ニクソン優勢のまま、真実に近づくことが出来ずに終わってしまうのか。

駆け引き、頭脳戦は続き、2人の強烈なキャラクターを鮮烈に描いていきます。クライマックスでは、真実に迫り、告白させたフロスト。感情を吐露するニクソン。複雑に揺れ動くニクソン。ニクソンを演じたフランク・ランジェラの威厳と悲哀をにじませた演技は圧巻です。

「大統領が国益のためにやるのなら非合法ではない。」衝撃的な一言。ニクソンの言動はブッシュ政権と彼の権力の乱用についての批判をする際に引用されるくらいですから、在任期間中は国民は直接、間接的に苦しめられていたのかもしれません。

DVDのメイキング映像には実際のインタビュー映像も収録されていますが、雰囲気を再現したセットやニクソンの表情、会話の内容は実に良く緊張感を漂わせています。インタビューをリアルに再現し、さらにドラマティックに映像化された新感覚のエンターテインメント作品。この得も言われぬ迫力はロン・ハワード監督、さすがの技と言えるでしょう。

« 「週刊 手塚治虫 創刊第15号」鑑賞 | トップページ | ルームリンクで家中ホームシアター Vol.3 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

私的映画考」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/102027/46249286

この記事へのトラックバック一覧です: 「フロスト×ニクソン」私的映画考Vol.197:

« 「週刊 手塚治虫 創刊第15号」鑑賞 | トップページ | ルームリンクで家中ホームシアター Vol.3 »

2015年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ