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2009/10/07

「週刊 手塚治虫 創刊第16号」鑑賞

先日、NHKで放送された手塚治虫2009 ~いのち・科学・未来へGO!「週刊 手塚治虫 創刊16号」を観ました。2009年10月2日(金)、午後10:00~午後11:00  BS2。司会・石澤典夫アナウンサー、杏。

今年2009年は、手塚治虫の生誕80年、没後20年にあたります。おまけに、衛星放送も20周年。と言うことで、「2009年BSは手塚治虫」と題して、様々な特集、番組が用意されています。

今年2月から続々と放送された手塚治虫関連番組(「手塚治虫のすべて」「手塚治虫・現代への問いかけ」)に続いてスタートした「週刊・手塚治虫」。レギュラー放送は、月間3本の準ウィークリー番組として、4月から10月まで放送されます。月ごとにテーマを設け、作品を掘り下げていきます。10月のテーマは「生と死を越えて」。

創刊第16号のスタジオゲストは小説家の夢枕獏さん。「火の鳥 鳳凰編」を中心に語ってくれました。

手塚治虫がライフワークとして描き続けた「火の鳥」。過去、未来の時代を行き来しながら永遠の命を持つという火の鳥を巡る人間模様。その中の一作「鳳凰編」。

「火の鳥 鳳凰編(1969年8月~1970年9月)」その物語は、奈良時代、権力に翻弄される2人の仏師、茜丸と我王。我王は悪行三昧。何人もの命を殺めていた。様々な出会いと別れを経験しながら、仏師としての腕を上達させていく我王。一方、悪党だった頃の我王に傷つけられた過去を持つ茜丸だったが、その経験をバネにして仏師としての腕を磨いていく。そして、東大寺の大仏建立の鬼瓦を巡り宿命の戦いが始まる。

夢枕さんは、少年時代に出会った手塚作品に感動し10歳で小説家を志したと言います。以来、手塚作品を読みふけり、ストーリーテラーたる手塚治虫の作風に魅せられ続けたとか。そんな夢枕さんの一番のお気に入りは「火の鳥 鳳凰編」。夢枕さんの物語の構造。発想の原点は手塚作品にあると言います。

夢枕さんは中でも、火の鳥の彫像を作るため、火の鳥に逢いたいと願う茜丸が夢の中で唐へ渡るシーンに感銘を受けたと言います。輪廻転生とは、永遠の生命とは、いったい何なのか?時代設定もそうですが、仏教の思想に根ざしたテーマがイメージとして強く印象づけられるシーンです。このシーンに夢枕さんは無限のロマンを感じるとも。

そして、業を背負って生まれてきたような男・我王。二人の主人公が出会い、それぞれに葛藤を続けていきます。善(茜丸)と悪(我王)の対峙のように描かれていますが、それがいつしか逆転していきます。何が正しいのか、何が善なのか。権力へと取り憑かれていく茜丸。

名声を得ること?それとも自分の納得のいく仕事を成し遂げること?それが生きることの意味なのでしょうか?魂を浄化させることが、生きることの意味なのでは?と深いテーマが繰り広げられるていきます。

人はなぜ生きるのか、なぜ死ぬのか?死ぬために生きるのか?悟りを開いたかのような我王。人も変わっていく。人間とはなんとちっぽけで、なんと愚かな存在なのか。実に深いテーマが描かれている作品です。

私個人としても「火の鳥」の中では一番好きな作品ですし、手塚作品の中でも一二を争う作品になっています。少年時代に読んだ時は、ただ面白いだけでしたが、大人になって読み返して、そのテーマの深さを感じ、一番印象が変わった作品でしょう。

夢枕さんは、手塚治虫が亡くなったとき未完で終わった作品群があったことにショックを受け、自分自身が作るべき作品の詳細なタイムスケジュールを作ったと言います。「手塚治虫ライン」=60歳までに書く作品を年表のようなスケジュールに書き記したモノが紹介されていました。

「火の鳥」も未完の作品でした。構想だけの作品もいくつかあったようです。日中戦争が舞台となる大地編、アトムが主人公となる作品、完結編となる現代編。そこには、どんなメッセージが込められていたのか?今となっては知るよしもありません。

アニメは「火の鳥 黎明編 その4」、モーション漫画は「鳳凰編」の序盤部分。

次回、創刊第17号のスタジオゲスト漫画家の萩尾望都さん。2009年10月9日(金)、午後10:00~午後11:00  BS2。「火の鳥 未来編」を中心に語ってくれます。壮大なスケールで描かれる「未来編」。どんなお話が聞けるのか楽しみです。「週刊 手塚治虫」もいよいよ大詰め、残り2回です。

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