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2009/10/27

「幸せはシャンソニア劇場から」私的映画考Vol.203

先日、「幸せはシャンソニア劇場から」を観てきました。クリストフ・バラティエ監督作品(「コーラス」)。出演:ジェラール・ジュニョ、カド・メラッド、クロヴィス・コルニアック、ノラ・アルネゼデール、ピエール・リシャール、ベルナール=ピエール・ドナデュー他。

1936年、パリ。ミュージックホールのシャンソニア劇場は、経営不振のため閉鎖となってしまう。30年以上この劇場で幕引きを務めたピゴワル(ジェラール・ジュニョ)は無職の上、妻にも逃げられ、息子のジョジョも妻の元へ。失意の日々を送るピゴワル。芸人仲間のジャッキー(カド・メラッド)とミルー(クロヴィス・コルニアック)と一緒に、再度営業を始めようと劇場を占拠する。そこに、歌手志望の美しい娘・ドゥースがやって来る。ドゥース(ノラ・アルネゼデール)はアナウンス嬢として採用されるのだが、彼女の歌声は観客を魅了し始め、劇場は連日、満員になるのだが・・・。

主人公であるピゴワルが警察に自主する場面から始まります。「人を殺した」と。ことの成り行きを回想するカタチで物語は展開します。町並みは、その当時の風景を描き出します。第1次大戦と、第2次大戦の間。重苦しい時代だったのでしょうが、人々は娯楽を求めていました。贅沢とまではいかないけれども、何か楽しみが欲しかった。決して裕福ではないけれど、心は豊かだった。そんな時代。

その娯楽を求める人たちの声に応えるのが、シャンソニア劇場の人々。給料は安かったり、もらえなかったり。それでも、観客に喜んでもらえる芸を見せる芸人たち。それを支える裏方たち。貧しくっても辛くても、楽しかった。それなのに、劇場は閉鎖。皆は路頭に迷うことに。

ピゴワルは妻に逃げられ、息子のジョジョとふたり暮らし。ジョジョは父親に隠れて、近所に住む”ラジオ男(ピエール・リシャール)”と呼ばれる引きこもり老人宅へ行き、アコーディオンを習います。そして、町に出て流しのアコーディオン弾きをして、稼いでいました。

ところが、母親が再婚し、町に戻ってきたと言います。無職のピゴワルにジョジョを扶養できるはずがありません。そして、ジョジョは妻の元へ。定職に就かなければ、唯一の心のよりどころであった、ジョジョとの生活もままなりません。

そして、一念発起。人手に渡っていたシャンソニア劇場を占拠し、再び灯をともそうと立ち上がります。バラバラになっていた仲間たちを集め、オーナーを説得し、なんとか再建に成功。が、今までの芸人だけでは物足りない。オーディションを開きます。

オーディションに集まる芸人たち。まあ、ユーモラスです。こんな芸でもその当時の人々には娯楽となっていたのか?疑問は残りますが、それぞれに楽しい芸で笑わせてくれます。そして、最後に現れたのはドゥースと名乗る若い女性。なにやらシャンソニア劇場との因縁があるようです。

初日の興行でドゥースはアナウンス嬢として、登場しますが、ひょんなことから歌うことになります。そして、大成功。その歌声に観客は魅了されていきます。最初はアカペラ。そして、ピアノが手探りで伴奏に入り、最後はオーケストラ。大喝采を受けます。

あっという間にスター歌手になってしまったドゥースは引き抜かれていってしまいます。そして、再びシャンソニア劇場は閉鎖されてしまうのでした。ピゴワルはジョジョに会うことが出来るのか?シャンソニア劇場の運命は・・・。

終盤、泣き所はやってきます。ジョジョとの再会のシーン。なにもなくなってしまったピゴワル。夜中だというのに、なにやら街角から歌声が聞こえてきます。仲間たちでした。そして、アコーディオンの音。ジョジョでした。狭い町中の明かりが付き、人々は何事かと顔を出します。怒鳴られても、罵声を浴びせられても、歌声は止むことはありませんでした。

様々な伏線を集約しながら、物語はクライマックスへ。シャンソニア劇場は再度復活しますが、悲劇はやってきてしまいます。

幸せはすぐ側にあるはず。でもそれに気づかない。手から零れてしまった幸せは、自らが努力して掴むモノ。海はどこにだってあるのだから。「ショーより楽しい商売はない」を地でいく中年芸人やスタッフたちの奮闘ぶりに笑い、重苦しい時代の中でも、音楽や芸に魅せられ、必死に生きようとする芸人たちの姿を描いた音楽劇。感動のエンターテインメント作品となっています。

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