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2009/10/22

「レオン 完全版」私的映画考Vol.200

今日、ご紹介するのは200本目の区切りの作品、「レオン(1994)」です。リュック・ベッソン監督作品。出演:ジャン・レノ(「ダ・ヴィンチ・コード」「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ」)、ナタリー・ポートマン(「ブーリン家の姉妹」「V・フォー・ヴェンデッタ」)、ゲイリー・オールドマン(「ダーク・ナイト」「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」)、ダニー・アイエロ他。

ニューヨーク。レオン(ジャン・レノ)は完璧に仕事を遂行する一流の殺し屋。彼の隣の部屋に住む12歳のマチルダ(ナタリー・ポートマン)もまた、家族から疎ましがられる孤独な少女だった。ある日、不気味な男スタンフィールド(ゲイリー・オールドマン)と部下たちは、マシンガンを手にアパートを急襲し、たった4歳の弟も含めてマチルダの家族を虐殺した。難を逃れたマチルダは、レオンに匿ってもらう。レオンが殺し屋だと知ったマチルダは、弟を殺した相手に復讐するために、自分も殺し屋になりたいと懇願する。始めは断ったレオンだったが、自分の正体を知った少女を殺すことも追い出すこともできず、彼女との奇妙な共同生活を始めることになるが・・・。

レオンは孤独に生きてきました。一日2パックの牛乳と肉体のトレーニングを欠かさないレオンの唯一の楽しみは、鉢植えの観葉植物に水を与えることと名作映画を観ることでした。殺し屋の彼を育て、仕事の仲介をするのはトニー(ダニー・アイエロ)。同郷と言うこともあり、何かと良くしてくれていました。

マチルダも孤独に生きていました。意地悪な姉、継母に虐げられ、父親には暴力をふるわれる日々。救いは最愛の弟。自分を誰よりも慕ってくれる弟でした。

いつもと変わらない日常は、ずっと続くと思えましたが、二人が出会ってから、ドラマは動き始めます。最愛の弟も含めて家族全員を殺されたマチルダ。レオンの部屋に逃げ込み、最悪の事態は避けられましたが、行くところがありません。泣きじゃくるマチルダをレオンは優しく慰めます。きっと、子どもと接したこともなかったであろうレオン。でも、孤独な気持ちは理解できたのでしょう。

レオンはマチルダを長く置いておくつもりは無かったのですが、正体を知られたこともあり、二人の奇妙な共同生活が始まります。アパートから、安ホテルを転々とする生活。元々荷物は少ないのでしょうが、大きなバックと仕事道具、しっかりと抱えて歩くのは観葉植物の鉢植え。大股ですたすたと歩くレオン。遅れまいと、ちょこちょこと早足で歩くマチルダ。その姿はほほえましくもあります。

次第に互いに心の扉を開き始めるふたり。復讐を望むマチルダに、レオンは殺しのテクニックとセオリーを教え、マチルダはレオンに読み書きを教えます。そして、ふたりの間には父娘とも恋人同士ともつかない新しい感情が芽生えていきます。

そんなある日、マチルダは偶然、スタンフィールドの正体がDEA(麻薬取締局)の捜査官であることを知り、単独、復讐を果たすためにレオンの留守の間にスタンフィールドを付け狙いますが、逆に取り押さえられてしまいます。レオンが駆けつけ、なんとか助け出すことが出来ますが、不吉な陰は次第に二人に忍び寄っていました。

ベッドで眠ることのないレオン。そんなレオンでしたが、マチルダの願いを叶えるためにベッドで二人で眠ります。その瞬間が、二人にとって最も幸せなひとときだったのかもしれません。そして、緊張感高まるクライマックス。スタンフィールドはトニーを通じてレオンの居場所を突き止め、何百という警官隊を率いてホテルを完全包囲します。二人の運命は・・・

根無し草だったレオン。初めて誰かのために何かをしたくなったと言うレオン。そんなレオンは、生きる希望をマチルダにもらったのです。大地に根をしっかりと張って暮らしたいと。それは確実に愛だったのでしょう。

ラストシーン。レオンの形見となる観葉植物を、大地に埋め、根付かせてあげます。でもあの植物は寒い土地では育たないんだとか。やっと安息の日々を送れると思っていたのに、願いは叶いませんでした。さらに悲しみがこみ上げてゆきます。

序盤のマチルダの台詞「大人になっても人生は辛いの?」。レオンは優しく答えます、「そうだ」と。人生は辛いモノ。だからこそ、懸命に生きるのだと。そして、死は前触れもなく、突然訪れ、死の恐怖に直面した時に初めて命の尊さが分かるのです。

純愛という言葉を良く聞くようになった昨今。今回見直して、あらためてふたりの関係は愛だったし、見返りを求めない純粋な愛だったのだと思えました。魂をふれあわせたふたり。そこには純愛さえも越えた、崇高な何かがあったのかもしれません。

良い作品は、何度見返しても良いモノ。久しぶりに見返しても感動するし、同じシーンで涙し、そして、また新たな気づきがあります。今回は「生きる」と言うことをさらに強く感じられたように思いました。

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