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2009/11/20

ジョアン・サルバンス「史上最強バルセロナ世界最高の育成メソッド」

「史上最強バルセロナ世界最高の育成メソッド」小学館101新書

今日、ご紹介するのはジョアン・サルバンス著「史上最強バルセロナ世界最高の育成メソッド 」です。元FCバルセロナのカンテラ(下部組織)の監督を務めた著者がバルセロナの強さがどこから来るのかを説きながら、日本のサッカー界のあり方を問いてくれています。超一流選手を次々に輩出するバルセロナ下部組織の育成メソッドを元コーチが初公開します。

サッカー日本代表の試合を見ていると、世界のサッカーと何が違うのだろうと思うことが良くあります。確かに技術は違うでしょう。それと、よく言われるのは体格差。ところが現在の日本代表選手には、身長では世界レベルの選手もたくさんいます。

バルセロナの欧州チャンピオンズリーグ決勝戦のスタメンの平均身長は178.9cm。メッシは169cm。チャビとイニエスタは170cm。欧州と日本の差は、フィジカルではないはずです。確かにフィジカルやサイズで押し進むサッカーもあるでしょうが、バルセロナが伝統的に目指しているサッカーはボールを大切にし、ピッチを幅広く利用する攻撃的なスタイル。60%以上のボール支配率を維持すれば、フィジカルの差は関係ないはず。日本の目指すところはこういうところにあるのかもしれません。

しかし、筆者が言うサッカーに大切なモノは、「育成」につきます。良質な選手を輩出していくシステム。それがクラブチームの下部組織・カンテラなのだと。確かにJリーグでも下部組織が存在しているようではありますが、目指す方向性が違うのではないかと。

画一的なトレーニングで量だけを求めるトレーニングはいくら積んでも効果を呼びません。トレーニングにも「質」を求めるのです。なかでも「サッカーを読む」トレーニングが必要。試合で勝つために、どうプレーを読むか、それが大切だと。テクニックはあくまで基本であり、それをどう活かすか、得点に結びつけるには、どう読み、どう動き、どんなパスを出し、どう受けるのか。分析し、どう判断し、どう行動するのか。サッカーを読む能力を身につけるのも、トレーニングで出来るのだと。

そこが日本の子どもたちには不足しているのではないかと。日本の子どもたちとスペインの子どもたちには違いはないはず。どう伸ばすかが問題だと。スペインの子どもたちの方がグローバル(総合的)なトレーニングを重ね、プレーを読む力が養成されていっているからなのです。

また、試合に関しても大きく違います。日本では一発勝負のトーナメントがほとんどですが、欧州ではホームアンドアウェーのリーグ戦が主です。それも、ほぼ毎週末には試合が組まれています。年代によって、細かくカテゴリーが分かれているのも大きく違います。8~9歳、9~10歳、、、、と18歳までは1歳刻みで12段階に分かれています。それぞれの年代で試合が組まれているのです。試合の中で成長し、試合に勝つためにトレーニングを積む。それも「サッカーを読む」能力をです。

バルセロナのようなプレーがどのチームにも出来ることではありません。それがすべてでないのも事実です。しかし、コピーをすることも重要な成長のカギになることもまた事実です。そして、トレーニングの方向性、育成段階での試合数、良質な試合を中継するメディアの助け等々。日本にはサッカーで成功できる環境がそろっています。日本の子どもたちがバルセロナのようなプレーをしたり、世界に出て行く日が近い将来あるはず。日本のサッカー界にとって、そんな環境作りが、いま、最も必要なことなのかもしれません。

筆者のサッカーに対する情熱が感じられ、欧州のサッカー、バルセロナの育成メソッドがふんだんに盛り込まれた本書。指導者にも、サッカーが大好きな子どもたちの親にも、読んで欲しい一冊です。きっと何かのヒントが見えるはず。

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