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2010/02/12

「悲夢」私的映画考Vol.209

先日、「悲夢(ひむ)」を観ました。キム・ギドク監督作品(「絶対の愛」「ブレス」)。出演:オダギリジョー、イ・ナヨン、パク・チア、キム・テヒョン、チャン・ミヒ他。

ある晩、ジン(オダギリジョー)は元恋人の車を尾行していて、突然脇道から飛び出して来た車に激突する夢を見る。その夢のリアルさに違和感を感じたジンは、記憶を頼りに車を走らせると、実際に彼が夢で見たモノと同じ事故が起きていた。しかし、監視カメラにはラン(イ・ナヨン)という女性が車を運転する姿が写っていた・・・。独特の愛の世界を描く韓国の奇才キム・ギドク監督最新作。

ジンが夢を見ると、彼の代わりに夢の中の出来事を実行に移す夢遊病の女性・ラン。全くの赤の他人だったふたりが、ふしぎな縁で結ばれていきます。元恋人に捨てられたジン。元恋人を憎み捨てたラン。しかし、ジンが毎夜見る夢の通りに、寝ていたはずのランは行動をしてしまいます。最初は自動車事故でしたが、元恋人と会うようになってしまいます。

自分の行動が信じられないラン。あんなに憎んで別れたのに、会いに行ってしまうなんて。後悔が募ります。そこで、寝なければ良いのでは?と思い、ふたりで寝ずに過ごすという、ふしぎな同居が始まります。ところが人間眠らないでいるのには限界があるようで、またしても夢に落ちてしまいます。そして、ついには・・・。

不思議な魂の触れ合いを繊細なタッチで綴っていきます。ジン役のオダギリジョーは日本語で、その他の出演者は韓国語で台詞を話しますが、最初は不自然さを感じていましたが、作品に漂う不思議さによってか、そのうちおかしいと思わなくなります。無理に韓国語を話さない方が、より感情が伝わってくるようにも思いました。

最初は、いがみあっていたふたりでしたが、次第に、慰めあったりしながら心を通わせていきます。夢は夢、現実は現実。夢と現実が交錯していく世界。白黒同色。愛は憎しみ、憎しみは愛。表裏一体のはずが境界が無くなっていく様は、台詞の不自然さが無くなっていくことと似ているようです。

荘子の「胡蝶の夢」がモチーフになっています。「荘周が夢を見て蝶になり、蝶として大いに楽しんだ所、夢が覚める。果たして荘周が夢を見て蝶になったのか、あるいは蝶が夢を見て荘周になっているのか」。劇中、蝶が印象的に使われていて、夢と現実の橋渡しをしているかのようでした。そして、夢と現実は混濁していき・・・。

ふたりが最後にとった行動は、確かに愛だったに違いありません。幻想的で切ない愛の奇跡。そして、それは、人間の愚かさであるのかもしれません。それもまた表裏一体。

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