« 「キャピタリズム~マネーは踊る~」私的映画考Vol.211 | トップページ | 「リミッツ・オブ・コントロール」鑑賞 »

2010/03/05

決定!2009年私的映画大賞

悩みに悩んだ末、2009年私的映画大賞は以下の4作品に決定しました。

ヤング@ハート
私の中のあなた
コラムニスト:サラの選択
その日の前に

「ヤング@ハート」は、平均年齢80歳のおじいちゃんとおばあちゃんたちで構成されたコーラス隊「ヤング@ハート」に密着したドキュメンタリー作品。2000年から私的映画大賞を決めて来ていますが、ドキュメンタリー作品は初の受賞です。

ドキュメンタリー作品ではありますが、内容は実にドラマティック。元気なおじいちゃんおばあちゃんが、歌い踊ります。歌うのはクラシックやスタンダードではなく、ロックやR&Bの曲ばかり。これがすごい。聞いたことの無いような歌でも練習すれば歌えるようになります。しかし、悲しい別れはやってきます。平均年齢80歳ですから、突然、練習に出られないこともありますし、永遠の別れもありました。

それにしても歌の力、音楽の力というのはすごいんだなあと思える作品でした。歌うことによって、気持ちは若く、元気でいられるのでしょう。歌以外でも、何か熱中できることを持つというのは大切なことなんですね。

「私の中のあなた」は、11歳のアナは、白血病の姉・ケイトを救うために、臓器を提供するドナーとして“創られて”この世に生まれてきた。そんなアナが両親を訴えると言う物語。しかし、その裏には、愛する家族のためという熱い想いがありました。

確かに難しい問題には違いありません。臓器提供をするのであれば、身内の方が確率は高い。しかし、そのために家族が犠牲になっても良いのか?優先順位を付けることはできるのか?家族の大切さや命の尊厳を問いかける感動作でした。

「コラムニスト:サラの選択」は、新聞コラムニストのサラが、姉の葬儀に赴き、姉の5人の子供たちを引き取ることになりますが、アーミッシュの子供たちとの都会での生活は、大騒動でした。そのことを、コラムに書きつづけるサラでしたが、いつか別れの日がやって来ますが・・・、と言う物語。

相変わらず、どんな物語なのかわからずに観る私は、初めて見聞きすることが多くて、驚きもありましたが、その物語の力強さに感嘆しました。

信仰心という、日本人には希薄な問題がテーマとなっていますが、それとともに、家族の大切さ、何よりも大事なモノ、それを選択することの意義、そこには愛のカタチ、幸せのカタチが見えてきました。

本作をWOWOWで放送されたモノを鑑賞しましたが、DVDは未発売。何とももったいない話しです。

「その日のまえに」は、重松清のベストセラー小説を、大林宣彦監督が大胆にアレンジしながらも、原作のテーマ、存在感を損なわずに見事に再構築された作品でした。2008年の私的映画大賞作品「転校生 さよならあなた」に続き、大林作品が、2年連続の受賞となりました。

売れっ子イラストレーターの主人公と、その妻・とし子。とし子は余命宣告を受けていたが、二人は相談し、来るべき“その日”を迎える準備を始めていき、その日は次第に近づいていきます。主人公とその家族を中心に物語は進みますが、原作で描かれているいくつかの物語が、少しずつ絡み合いながら、様々な生と死が交錯していきます。

原作にちらっと登場する宮沢賢治の詩「永訣の朝」が物語をつないでいきます。そのために、主人公の妻・とし子の名前を原作とは違う名前に変えたんだとか。どこか不可思議なイメージを受ける詩に、メロディが付けられ歌われ、全編を彩ります。

死を意識したが故に、残された時間を懸命にくっきりと生きてみせようと覚悟をした人と、それを見守る家族の物語。そこには、明るく楽しく生きていた、十分に生きた証をもって、誇らしく、生きる姿があるのです。送る者の使命は、生を褒め称えることで、見送ってあげること。笑って見送ること。それが自分自身できるのだろうか。命の尊さ、家族の大切さを再認識させられて作品でした。

結果から見ると今回は、家族をテーマにした作品、命をテーマにした作品が、多くなりました。40歳を過ぎた頃から、余計に生命の尊厳を感じるようになったのかもしれません。人は何のために生まれ、何のために死んでいくのか?大命題でしょう。そんな想いを込めながら、今回の選考結果となりました。

順番は付けていませんので、すべてが大賞と言うことになります。あくまで私的な感想、私的な選考、私的な決定です。映画は人それぞれの見方があって良いと思います。当然、その人の今までの経験や人生、趣味嗜好が、映画鑑賞に対して色濃く反映されるモノであると思っています。

なので、こういう映画が好き、こういう作品に感動した等々、様々な意見があって良い訳ですし、感情移入しやすい作品、しにくい作品もあります(もちろん、映画としての最低レベルの技術的な問題もありますが)。

何はともあれ、映画は良いモノです。自分では考えつかないこと、経験できないようなことを、劇場にいながら、家にいながらにして、疑似体験できる。そして感動できる。今年もたくさんの映画を観て、何度も観たくなるような素敵な作品に出会える事を期待しています。

« 「キャピタリズム~マネーは踊る~」私的映画考Vol.211 | トップページ | 「リミッツ・オブ・コントロール」鑑賞 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/102027/47728743

この記事へのトラックバック一覧です: 決定!2009年私的映画大賞:

« 「キャピタリズム~マネーは踊る~」私的映画考Vol.211 | トップページ | 「リミッツ・オブ・コントロール」鑑賞 »

2015年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ