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2010/04/24

「第9地区」私的映画考Vol.218

先日、「第9地区」を観てきました。ニール・ブロムカンプ監督作品。製作:ピーター・ジャクソン。出演:シャルト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ジェイソン・コーブ他。第82回アカデミー賞作品賞他4部門ノミネート。

南アフリカ・ヨハネスブルグ。上空に突如現れた巨大な宇宙船。船内の宇宙人たちは船の故障によって弱り果て、難民と化し、南アフリカ政府は“第9地区”に仮設住宅を作り、彼らを住まわせることになった。そして、28年後。スラム化した“第9地区”から、エイリアンの強制移住を決定した超国家機関MNU。現場責任者のヴィカス(シャルト・コプリー)を派遣し、エイリアンたちに立ち退きの通達をして回ることになるのだが・・・。

28年前に現れた巨大な宇宙船が存在する2010年。MNUから派遣されたヴィカス。ヨハネスブルグにある第9地区。隔離されてはいるモノの、エイリアンによる犯罪、事件が頻発し市民の生活を脅かしていたため、離れた場所に強制移住をすることになります。

その様子を、記録映像風に追います。素直に従うモノはわずかで、ほとんどが反発しています。合間に関係者や市民のインタビュー映像を交えていくことにより、奇想天外な世界観をよりリアルに感じさせてくれます。

上空に不気味に浮かぶ巨大な宇宙船。かすんで見えるほど巨大な宇宙船。それだけな巨大な宇宙船を大気圏内に浮かばせ続けることができる技術を持つエイリアン。知能も体力も技術も人類を遙かに超えているのでしょうが、エイリアンたちは実に人間的。人間くさい生活を続けています。

その“エビ”と呼ばれるエイリアンが実に良く動いています。ほぼ全部がCGで描かれているのでしょうが、その動きは実にリアル。人間くささがリアル感にも繋がっているのでしょう。

強制移住の名を借りた家宅捜索を続けるヴィカスたちスタッフ。武器を隠し持つエイリアン宅を捜索中に、謎の液体を浴びてしまったヴィカス。そして、次第にエイリアンへと変貌していく。珍しい検体として人類から狙われるヴィカスは、第9地区へと逃げ出すしかない。エイリアンのクリストファーは、元に戻す方法があるというのだが・・・。ヴィカスは人間の姿に戻ることができるのか?エイリアンたちの運命は?

SF設定を活かしたエンタテインメント作品にはなっていますが、根底には人種差別、移民問題、国家や企業のモラル、格差社会などが感じられ、アカデミー賞的には合っていると思われますが、後半のアクションシーンは、きわめて残酷、残忍で、ここまでやってしまうと、やはり作品賞は難しいところでしょう。

しかし、エイリアンでもなく人間でもなくなってしまった主人公ヴィカスは、エイリアンのクリストファーと奇妙な友情を交わしていく様子は、たとえそれがエイリアンだとしても、わかり合うことができるかもしれないという希望を見せてくれているように思えました。

口コミで評価を集め、全米興行収入1億ドルを突破し、第82回アカデミー賞で作品賞をはじめとする4部門にノミネートされた話題作。社会的な問題提起をしながらも、そこにありそうなSF世界を垣間見せてくれる作品です。

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