« 桜の季節は | トップページ | nav-u「NV-U35」でカーナビ・デビュー »

2010/04/06

「カティンの森」私的映画考Vol.216

先日、「カティンの森」を観てきました。アンジェイ・ワイダ監督作品。出演:マヤ・オスタシェフスカ、アルトゥル・ジミイェフスキ、マヤ・コモロフスカ、ヴワディスワフ・コヴァルスキ、アンジェイ・ヒラ他。第80回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。

1939年9月、ポーランドは西からドイツ、東からソ連に侵攻され、両国によって分割されてしまう。そんな中、ソ連によって占領された東部へ、夫のアンジェイ大尉(アルトゥル・ジミイェフスキ)を捜しに妻のアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)と娘は向かう。アンナは捕虜になっていた夫に再会するも、目の前で収容所へと移送されていく。やがて独ソ戦が始まり、1943年、ドイツは占領したカティンの森で虐殺されたポーランド将校たちの遺体を発見する。アンナは夫の死を信じられず、いつまでも待ち続けるが・・・。

歴史に疎い私は、「カティンの森事件」も知らず、ヒトラーは知っていても、スターリンは名前しか知らないという感じ。本作は、その「カティンの森事件」にまつわるポーランドの人々の物語を実際の映像も交えながら、オムニバス形式のように、綴っていきます。

中心になるのは、アンジェイ大尉の一家。目の前で、収容所へと移送されていく夫。故郷へようやく戻った妻・アンナ。夫を待ち続けます。そして、毎日のように戦死者の名前が報告されますが、その中には、夫の名前はなく、あったのは、その部下イェジのモノでした。しかし・・・。

第二次世界大戦でソ連は戦勝国となったため、その戦争犯罪は追及されずに終わったようですが、この「カティンの森事件」の大量虐殺はすさまじいモノでした。どこまで、忠実に再現されているのかはわかりませんが、映像が本物に近いのであれば、それは凄惨きわまりないモノでした。機械的に、まるで工場でモノを作るかのように、処刑していきます。

戦後、ポーランドを支配したのはソ連でしたから、ポーランドではこの事件に触れることは長らくタブーとされていたようです。それが、戦後、何十年も経った今、ようやく白日の下にさらされたことになるのです。思っているだけでは、何も起こらない、行動をしない限り何も変わらない。長い間、支配され、分割され、戦いに明け暮れた歴史。そのポーランドの人々の悲痛な叫び声が聞こえてくるようでした。

帰還を待ち続けた家族、とりわけ女性たちに光を当て、戦争や非人道的な行いがいかに人々に深い傷跡を残すかを描いた本作。戦後65年の今だからこそ、観るべき作品でしょう。

« 桜の季節は | トップページ | nav-u「NV-U35」でカーナビ・デビュー »

映画・テレビ」カテゴリの記事

私的映画考」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/102027/48005145

この記事へのトラックバック一覧です: 「カティンの森」私的映画考Vol.216:

« 桜の季節は | トップページ | nav-u「NV-U35」でカーナビ・デビュー »

2015年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ