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2010/08/13

機本伸司「パズルの軌跡 穂瑞沙羅華の課外活動」

今日ご紹介するのは、機本伸司・著「パズルの軌跡 穂瑞沙羅華の課外活動(ハルキ文庫)」です。「神様のパズル」「メシアの処方箋」に続いて読んだ作品。

2029年。ようやく就職した綿貫基一の元に、一通のメールが届いた。それは、“ネオ・ピグマリオン”という会社から接触を求めるものだった。ところが、資産家子息の失踪事件の調査を、量子コンピュータを開発した天才美少女・森矢沙羅華にしてほしいというものだった。普通の女子高生に戻ろうとしている沙羅華を説得し、なんとか調査への協力を取り付けたのだが・・・。そこには、沙羅華の出生に関わる事件が待ち受けていた。

本作は、「神様のパズル」の続編。何とか大学を卒業し、就職できた綿貫でしたが、社会に出たものの、なんともやるせない気持ちでいました。そんな時に、ネオ・ピグマリオンからのメール。渋々会ってみると、森矢沙羅華への依頼を取り次いで欲しいというモノでした。普通の女子高生になろうとしていた沙羅華。断ると思いきや、やはり普通の生活は出来なかった沙羅華は、穂瑞沙羅華として事件へと関わっていきます。当然のごとく、綿貫も巻き込まれていきます。

独自に潜入捜査を続ける沙羅華を待ち受けていたのは、“ノアスの園”というセミナーと、“アポロン・クラブ”。思い当たる節もありそうな沙羅華でしたが、何も話しません。そして、沙羅華の遺伝子上の兄ではないかという人物も浮かび上がります。次第に、事件は予想だにしない方向へと向かっていきますが、機本作品特有の映画的な盛り上がりを見せ、大団円へと突き進みます。

「宇宙とは何か?」「自分とは何か?」前作に引き続き、永遠の命題とも言える疑問を投げかけてくれます。生きる意味を、自分の存在の意味にしっかりとした答えを持っている人は少ないでしょう。正解はないのかもしれません。それでも、“生きる”のです。正解のない問題に対して、どうアプローチしていくのか?天才少女の発想は奇想天外なのかもしれませんが、それに対して、普通の人である綿貫は常識的な考えで良いのでしょう。それが読者の目線ではあります。

「神様のパズル」の名コンビが繰り広げるSFミステリー。前作とのつながりもありますが、説明もしっかりありますので、特に読まなくても大丈夫ですが、あの微妙な関係を味わうには、前作から読んだ方がさらに面白いです。今後もシリーズ化の予感を感じさせながら終わる本作ですが、二人の関係性の進化を見届けたい気分です。究極の問題に対する答えを追い続けて・・・。

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