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2010/08/09

荻原浩「さよならバースディ」

今日ご紹介するのは、荻原浩・著「さよならバースディ(集英社文庫)」です。「」「コールドゲーム」に続いて読んだ作品。

霊長類研究センターでは、猿(ボノボ)のバースディに言語習得実験を行っていた。プロジェクトの創始者安達助教授は一年前に自殺したが、その後は、助手の田中真と大学院生の由紀が研究を継いでいた。実験は着実に成果をあげてきていた。そんなある晩、真が由紀にプロポーズをした数時間後に、彼女は窓から身を投げる。真は、その瞬間を目撃したバースディから、真相を聞き出そうとするが・・・。

裏表紙にあるあらすじ等を読んで、購入することにはしていますが、購入後、時間が経ってしまってから、読み始めると、大まかなあらすじさえも忘れてしまっています。本作も購入後、時間が経っていて、全くどんな話しか分からずに読み始めました。

最初は、霊長類研究センターでの猿(ボノボ)のバースディが言語を解すると言うその不思議さに驚かされ、その実験室で行われていることに興味津々です。そして、登場人物たちへと興味が移っていきます。主人公である田中真とその恋人・由紀。同じ研究に携わりながらの内緒の関係が、初々しくもあり、ほほえましいです。

そして、運命の夜。プロポーズする真。由紀は喜びはするモノの、少し待ってくれと告げます。渡せなかった指輪・・・。明くる日、二日酔いの真は電話で起こされます。何が起こったのか分かりません。由紀が研究室の窓から飛び降りたんだと。動転する真。私も驚きました。えー、そういう話しだったのー。

物語はいつくのもの伏線を引きづりつつ、ミステリーな展開をしていきます。一年前に自殺したプロジェクトの創始者である安達助教授。取材にかこつけて陰謀を追うフリーライター。プロジェクトの存在意義。バースディはあの晩、何を観たのか?そして、プロジェクトの真相。

言語を解するだけに、バースディに対して、執拗に詰め寄る真が悲しいです。言葉を理解すると言っても、それは訓練によって出来ることだけであり、新しい言語を習得するには長い時間が必要なのです。しかし、真には時間がない。プロジェクト自体が凍結されてしまうのですから。

そして、別れの時。ちょっと奇妙な家族のような三人だった真、由紀、バースディ。由紀からのメッセージにより、真相にたどり着く真。そこには、確かな愛がありました。苦悩がありました。後悔もあったのでしょう。このやりとりが実に感動的でした。

愛する人を失った主人公と、学会に存在する不条理と、生きることのへの切なさを描いた長編ミステリー。人間にとっても、猿にとっても、何が幸せなのかは、失ってから気づくのかもしれません。

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