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2010/09/22

「きみに微笑む雨」私的映画考Vol.227

今日ご紹介するのは「きみに微笑む雨」です。ホ・ジノ監督作品。出演:チョン・ウソン(「私の頭の中の消しゴム」「グッド・バッド・ウィアード」)、カオ・ユアンユアン、キム・サンホ他。

出張で四川省・成都にやって来た韓国の重機会社勤務のドンハ(チョン・ウソン)は、杜甫草堂を訪れる。そこで、偶然にも観光ガイドとして働いているアメリカ留学時代の友人メイ(カオ・ユアンユアン)と10年ぶりに再会する。互いに恋心を抱き合ってはいたものの、告白できずにいたふたり。懐かしい思い出話に花を咲かせながらも、当時の感情を思い出していくドンハ。昔からの想いをメイに打ち明けるが、メイにはある秘密があった・・・。

四川大地震から1年後、地震の爪痕の残る成都。出張で訪れた韓国人男性ドンハとアメリカ留学時代の友人である中国人女性メイ。ドンハは学生時代、詩人になることを夢見ていた。だが、仕事におわれていくうちに夢を忘れていっていました。メイは杜甫草堂で観光ガイドを続けながら、杜甫の勉強を続けていました。そんなふたりが偶然にも、四川で出会うのです。

10年ぶりの再会ではありましたが、すぐに打ち解けあうふたり。ドンハは、留学時代にメイのことが好きだったと告げるが、メイはつれない。「そうだったっけ?」という感じ。帰国前にドンハが残した自転車も売り払ってしまった言う。思い出の自転車だったのに。

冒頭、ふたりが再会するシーンである杜甫草堂の情景は、竹林が美しいです。風がそよぎ、穏やかな時間が流れています。ふたりが、夜の公園で踊るシーンは、若い頃に戻ったかのようなさわやかさで、初々しくもあり実に素敵です。

その後の雨のシーンは素晴らしいです。「好雨知時節(こうう じせつをしり)」。杜甫の詩の一節です。「花が咲くから春が来ると思うのか。それとも、春が来るから、花が来ると思うのか。」雨は降る時を知っている。良いタイミングの雨。いつから好きだったのか。その証拠はどこにあるのか。そんなことは誰だって言えないに決まっています。

ふたりの関係、友人以上ではありますが、恋人ではないのでしょう。しかし、偶然でもいい、会うべき時に会えた。それだけで良いはずなのに、思いは募るばかり。帰国を遅らせたドンハは、残された一日をメイと共に過ごします。若い恋人たちのようなふたりは、人混みを離れ、隠れて唇を重ねる。ほほえましくもあります。しかし・・・。

メイを演じるカオ・ユアンユアンの何かを想っているかのような、遠い眼差しが実に良いです。モノ言いたげな、悲しそうな、憂いのある眼差しが、切なさを加速します。そんな揺れ動く女心の機微を丁寧に描いています。が、その心には震災の爪痕が遺っているのでしょう。しかし、その傷も、優しい時間や包み込むような心が癒してくれるのかもしれません。そして、新しい一歩を踏み出す勇気を持つことが出来るのかもしれない。

四川大地震の傷跡が残る成都を舞台に、歳月を経てすれ違う恋心を描く大人のラブストーリー。

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