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2010/11/15

「終着駅-トルストイ最後の旅-」鑑賞

先日、「終着駅-トルストイ最後の旅-」を観てきました。マイケル・ホフマン監督作品。出演:ヘレン・ミレン(「クィーン」「ナショナル・トレジャー」)、クリストファー・プラマー(「Dr.パルナサスの鏡」)、ジェームス・マカヴォイ(「ウォンテッド」)、ポール・ジアマッティ(「サイドウェイ」)、アンヌ=マリー・ダフ、ケリー・コンドン他。第82回アカデミー賞主演女優賞、助演男優賞ノミネート作品。

トルストイ主義者の青年・ワレンチン(ジェームス・マカヴォイ)はトルストイ(クリストファー・プラマー)の秘書に採用され、トルストイと同居する事となる。トルストイの妻・ソフィヤ(ヘレン・ミレン)と対立する一番弟子のチェルトコフ(ポール・ジアマッティ)から、ソフィヤの動向を報告するよう命じられていたワレンチンだが、ソフィヤにも気に入られ、トルストイ夫妻が深く愛し合っている事を知る。しかし、ソフィヤとチェルトコフの板挟みになり苦悩するトルストイは、娘・サーシャ(アンヌ=マリー・ダフ)を連れて家出をするのだが・・・。

トルストイ主義者の純粋な青年・ワレンチン。心から敬愛するトルストイの秘書としてトルストイの屋敷へと向かいます。舞い上がり緊張するワレンチン。緊張するとくしゃみが出てしまうワレンチン。トルストイの言葉に涙することもあります。チェルトコフのスパイ同然でやってきた屋敷でしたが、悪妻と名高いトルストイの妻・ソフィヤにも気に入られたワレンチンでした。

トルストイ主義を貫くワレンチンでしたが、村でマーシャ(ケリー・コンドン)という奔放な女性と出会います。そして、すぐにマーシャと恋に落ちます。それも初恋。禁欲生活がトルストイ主義ではありましたが、ワレンチンはそんなことも忘れるほど熱烈に恋に落ちていきます。

そして、ソフィヤとチェルトコフの確執は次第に深まっていきます。農奴解放運動などのため、自分の著作権を放棄し、農民たちの生活を助けようとするトルストイ。純粋にトルストイのことを愛し、自らの生活と子どもたちの生活・財産を守ろうとする妻・ソフィヤ。チェルトコフはトルストイの遺書を妻に内緒で書き換えてしまいます。そして、ソフィヤはついに爆発!妻を深く愛してはいるものの、主義を貫き通すべく、これ以上一緒に生活は出来ないと、娘・サーシャと共に家を出ます。

「戦争と平和」さえ読んだことのない私。トルストイの名前くらいは知ってはいますが、どんな時代に、どんな生き方をしたのか初めて知りました。そして、トルストイ主義。初めて聞いた言葉。持たざることが、広く国民のため、平等のためになるのでは?ロシアではそれがより強烈な意味を持ってくる様な気がしました。そのトルストイ主義の中心となるのは愛だったに違いありません。

トルストイ夫妻の50年以上にわたって積み重ねられてきた夫婦愛と、若き青年ワレンチンとマーシャの恋を対比させつつ、男女の愛の複雑さと素晴らしさを描きます。理想を貫き通したトルストイと、現実を見つめた悪妻。価値観は違うかもしれないけれど、愛は普遍。

82歳で、家出し、文字通り人生の終着駅となった寒村の駅で亡くなったロシアの文豪トルストイ。その晩年を描く感動作。名優たちの競演も素晴らしく、見応えのある作品になっています。

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