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2011/05/18

「ブラック・スワン」私的映画考Vol.240

先日、「ブラック・スワン」を観てきました。ダーレン・アロノフスキー監督作品(「レスラー」)。出演:ナタリー・ポートマン(「抱きたいカンケイ」「マイ・ブラザー」)、ヴァンサン・カッセル(「イースタン・プロミス」)、ミラ・クニス(「ザ・ウォーカー」)、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー他。第83回アカデミー賞主演女優賞受賞作品。

バレエ・カンパニーに所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、元ダンサーの母親・エリカ(バーバラ・ハーシー)の寵愛のもと、人生の全てをバレエに捧げていた。そんな彼女に「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れるが、純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じねばならない。臆病で、前に出るタイプではないニナには、難しい役どころだった。黒鳥役が似合う奔放なダンサー、リリー(ミラ・クニス)の出現も、ニナを不安にさせる。ニナは、白鳥の女王役を射止めたモノの、次第に極度の混乱に陥っていくのだが・・・。

技術はあるが、官能的な演技の出来ないニナ。演出家のトマス(ヴァンサン・カッセル)に言い寄る様な感じで射止めた主役の座。しかし、邪悪で官能的なブラックスワンの踊りが思うように出来ず、トマスの期待を裏切るような感じになっていきます。そんな時、ライバルとも言えるリリーが登場。官能的な彼女は、なぜかニナに近づいていきます。

また、元プリマであったベス(ウィノナ・ライダー)の落ちぶれ方も目に入り、さらなるプレッシャーになっていきます。なんと言っても母親のプレッシャーは、絶大。幼少時代から娘に賭けてきた想いは、ニナを苦しめます。

そして、ニナは現実と悪夢の狭間をさまよい、自らの心の闇に囚われていきます。見えるはずのないモノが見え、鏡に映る幻覚が幾たびも現れ、吐き気に襲われ、すべてがニナに対する外敵のように思えてきます。

バレエ経験のあるナタリー・ポートマン。10ヶ月の猛特訓によって、舞踏シーンに挑戦したんだとか。技術的には良くわかりませんが、観ていて遜色ないように思えましたが、全部が全部本人の演技ではないのでしょう。

クライマックスとなる公演初日のステージ。タイトな映像で舞踏を追いかけます。これが得も言われぬ迫力を呼び、まるで舞台にあがり、目の前で観ているかのような臨場感を生んでいます。そして、ブラックスワンの舞踏。激しい内面の葛藤に耐えながら、孤独な闘いを続けるニナ。鬼気迫る演技。腕が黒い翼になっていく演出。大きめの効果音。迫力のあるクライマックスになっています。

また、サントラ(「ブラック・スワン」オリジナル・サウンドトラック)もチャイコフスキー作曲「白鳥の湖」の楽曲をモチーフにしながら、様々な曲調で全編に流れるようになっていて、すり込まれているかのようでした。あらためて原曲を聴きたくなりました。

母や周囲からのプレッシャー。抑圧された欲望。狂気は次第に自分首を絞めて行き、やがて、悲惨な運命が待ち受けていました。それは、白鳥の女王のように・・・。自分の敵は自分。自らの限界を解き放つことが、肝要。

大役に抜擢されたバレリーナが、そのプレッシャーから少しずつ心のバランスを崩壊させていく様を描くサイコスリラー。

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