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2011/07/05

「阪急電車 片道15分の奇跡」私的映画考Vol.247

先日、「阪急電車 片道15分の奇跡」を観てきました。三宅喜重監督作品。原作:有川浩(「図書館戦争」シリーズ「空の中」「フリーター、家を買う。」)。出演:中谷美紀、戸田恵梨香、南果歩、谷村美月、有村架純他。

結婚式に出席したOLの翔子(中谷美紀)は、花嫁と見間違えるような純白のドレスで現れ、新郎新婦を唖然とさせる。それは、彼女の復讐だった。帰宅途中の電車で、好奇の視線を集める彼女に老婦人が声をかけてくる。その老婦人とは、曲がったことの嫌いな時江(宮本信子)。孫の亜美(芦田愛菜)と電車に乗っていたところ、純白のドレスに引き出物というチグハグないでたちの翔子が気になって、声をかけたのだった。

女子大生ミサ(戸田恵梨香)の悩みは、恋人カツヤ(小柳友)のDV。2人で同棲するための物件を見に行く途中、電車に乗り合わせたドレス姿の翔子のことを話しているうちに口論となり、カツヤが降りてしまう。それを見ていた時江が吐き捨てた“くだらない男ね”という言葉で、ミサは別れを決意するが・・・。

片道わずか15分の阪急電車今津線。「宝塚駅」~「西宮北口駅」へと電車は進み、その電車内、駅、沿線の街で巻き起こる見ず知らずの人々の出会いから生まれる物語。また、復路は「西宮北口駅」から「宝塚駅」へと進み、数ヶ月後の物語になります。

その他、セレブ気取りの奥様グループに嫌々付き合っている庶民派主婦の康江(南果歩)や、地方出身で都会の雰囲気に馴染めない大学生の美帆(谷村美月)と圭一(勝地涼)、大学受験を控えた女子高生の悦子(有村架純)と、人はいいがアホな彼氏竜太(玉山鉄二)ら、愛すべきキャラクターが登場します。

実際に阪急電車を使ってロケが行われたと言うことですが、さぞかし大変だったことでしょう。そのためか、とても電車としてのその場の空気感が伝わってくるようでした。しかし、一部は車窓から流れる映像は合成のようで、違和感を感じるシーンも多々ありました。揺れていないんですね電車全体が、カメラが。吊革に特に違和感を感じました。

私は原作小説を読んでから鑑賞しましたが、原作とはまた違う感動がこみ上げてきました。「ああ、なんて人は優しいんだろう」と。また、原作では“恋愛”のウエイトが高めだったように受け取りましたが、本作では“女性”に重点が置かれていたように感じました。

それというのも、原作小説に登場する「一番良いカップル(私の中で)」が丸々カットされたためではないでしょうか?エンドロールにちらりと登場する大きな「生」の文字。あのエピソードをカットするというのはどうにも理解に苦しみます。

阪神大震災の被災経験からくるあのエピソードは、今この時期だからこそ入れるべきだったのではないでしょうか。確かに、脚本にするのは映画のスタッフの仕事であり、原作と違ってもそれはそれで良いとは思います。それに、企画・脚本の段階では東日本大震災は起こっていなかったのですから。

本作は、電車の中でたまたま出会った人に、勇気付けられたり癒されたりする物語。お互い、うちに秘めた苦しい思いをもっていても、たとえそれが見ず知らずの人であっても相手に思いやりを持つことができるのだ、というお話です。今、日本は大変な状況にあり、東日本を、そして日本全国を笑顔にするためにも、人の優しさに触れ、まだまだ大丈夫だ、この世界も悪くないと思え、元気になれる作品になっています。

阪急電車今津線を舞台に、そこに乗り合わせた人々の悲喜こもごもの人間模様を綴る群像劇。阪急電車に乗って、沿線を旅したくなる作品です。

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