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2011/08/23

「イヴ・サンローラン」鑑賞

先日、「イヴ・サンローラン」を観てきました。ピエール・トレトン監督作品。出演:イヴ・サン=ローラン、ピエール・ベルジェ他。

1958年にデザイナーのイヴ・サンローランと出会い、恋に落ち、それ以来50年間、彼を支え続けてきたピエール・ベルジェ氏。イヴの栄光と凋落、成功の歓喜と創作の苦悩、これらのすべてを彼の側で見続けてきたベルジェ氏が、膨大な写真や映像と共に、イヴの想い出を語ったドキュメンタリー作品。

“イヴ・サンローラン”と言う言葉は知ってはいましたが、どんな人物で、どんなことをしてきたのか全く知りませんでした。希代のデザイナーにして、ファッション界の頂点に君臨し続けた偉大なデザイナー。その人生は、波乱に富み、決して平板な人生でなかったことはうかがい知れますが、その反面、苦悩や葛藤の日々も続いたことでしょう。なぜ、あれほどまでに、精力的に奇抜なアイディアを発表し続けられたのか?

冒頭、引退会見でイヴ自身から語られた「人生でもっとも大切なことは自分自身と出会うこと」という台詞が印象的でした。生きること自体が、彼の源であり、様々な文化に触れ、経験し、リフレッシュしていたのではないかと思えました。しかし、ドラッグや酒に溺れたこともありました。精神的に病んでいたということもあるでしょう。プレッシャーは数知れません。それでも、発表の日は待ってはくれないのです。

普通であれば、ドラマ仕立てにすることもできたのでしょうが、本作はドキュメンタリー作品として作られています。それは、これまでに撮り貯められた膨大な数の写真や映像が現存していたからでしょう。そこには、本作の語り手の中心として登場するピエール・ベルジェ氏の意向もあったのかもしれません。

50年間、公私ともに彼を支え続けてきたピエール氏。イヴと二人で蒐集した膨大な美術品を整理しながら、イヴがその美術品に抱いていた思いや、彼の“美”へのこだわりを語ってくれます。これもまた、イブの原動力の一つだったのでしょう。2009年パリで行なわれたオークションのために骨董品や美術品が自室や別荘から運びだされる映像は、悲しくもありました。その時、彼の胸に去来した想いはどんなモノだったのか。

貴重な写真・映像とともに、“イヴ・サンローラン”が世界的ブランドとなっていく背景と、名誉や栄光の裏に隠された愛と苦悩が語られる偉大で静謐な愛の物語。

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