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2011/09/01

「ツリー・オブ・ライフ」私的映画考Vol.248

先日、「ツリー・オブ・ライフ」を観てきました。テレンス・マリック監督作品。 出演:ブラッド・ピット(「バベル」「ベンジャミン・バトン」)、ショーン・ペン(「ミスティック・リバー」「ミルク」)、ジェシカ・チャスティン、フィオナ・ショウ、ハンター・マクケラン他。第64回カンヌ国際映画祭最優秀賞パルムドール受賞作品。

若い頃に弟に死なれたジャック(ショーン・ペン)は、仕事で成功し中年にさしかかった今も、子ども時代のトラウマに囚われていた。1950年代半ば、中央テキサスの田舎町で暮らしていた10代のジャック(ハンター・マクケラン)。夢のように美しい風景に包まれていながら、彼の生活は、強権的な父親(ブラッド・ピット)に完全に支配されていた。自分の信念を息子たちに叩き込もうとする父親。反面、我が子に無償の愛を注ぎ続ける聖母のごとき母親(ジェシカ・チャスティン)。そんな相反する両親に挟まれ、翻弄されるうち、幼かった少年はやがて純真さを失い、そんな自分に傷つき、暗黒の淵にとらわれていく・・・。数十年後、あの頃に想いをめぐらすジャック。彼の心の救いはどこにあるのだろうか。

ドキュメンタリーのような編集により描かれる人生の回顧録。人生の終焉を迎え、想いをめぐらすのは、辛いこともあったが、楽しいこともあった少年時代のこと。強権的な父親に支配され、抑圧され、そのはけ口となっていく友人たちとの悪さ。兄弟たちとの関わり。嫉妬心や虚栄心、父親への反抗心。様々なことが少年だったジャックを作り上げ、中年となったジャックの後悔へと繋がっていきます。

しかし、強権的だった父親の意志は少なからずジャックにも投影されていて、成功への渇望や、力への衝動を抑えきれずに、きっとここまで来たのでしょう。年を取ったであろう父親へ電話するジャック。敬う気持ちはあるのでしょうし、感謝の気持ちや謝罪もあるのでしょう。複雑な思いがめぐってきます。そして、若くして亡くなった弟のこと。エレベーターの中で脈打つように連続して聞こえる電子音。

そして、流れるイメージ映像。全編に挿入されるのはろうそくの光のようなささやかな灯りの映像。営々と受け継がれてきた生命の軌跡。親から子へ、子から孫へ。生命の連鎖は紡がれていくのです。果てしない宇宙、美しい自然、これらはすべて、神々が造ったモノなのか?音楽はクラシックの名曲が流れ、荘厳な気持ちになっていきます。

廃墟のような異空間を彷徨うジャック。波の効果音。やがて見えてくる川、そして海。そこには懐かしい顔が・・・。そこは天国なのか。皆一様に笑顔を見せている。心の平安の場所がそこにはあったのでしょう。そのシーンを観ていて、手塚治虫の「火の鳥」で描かれた、“コスモゾーン”のイメージを思い出しました。宇宙はすべて一つの生命で繋がれていて、回帰していく。行き着く場所は、人の生命の安らぎの場所なのかもしれません。

宗教的側面も多く、非常に難解な印象を受ける本作ですが、心をフラットにしてみると、何かが見えてくるような作品だと思えます。それは、観る人の経験や年齢・性別、その時の感情によって違って良いよいのでしょう。人生は続いていく。そして、愛こそがすべてだと。

1950年代のテキサスを舞台に、ある一家の40年にわたる日々を描きながら、人生の根源的な意味を問い掛ける家族の物語。

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