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2012/03/06

「永遠の僕たち」私的映画考Vol.261

先日、「永遠の僕たち」を観てきました。ガス・ヴァン・サント監督作品(「グッド・ウィル・ハンティング」「ミルク」)。出演:ヘンリー・ホッパー 、ミア・ワシコウスカ (「アリス・イン・ワンダーランド」)、加瀬亮、シュイラー・フィスク、ジェーン・アダムス他。

イーノック(ヘンリー・ホッパー)は、見知らぬ人の葬儀に、遺族のふりをして参列することが趣味だった。ある時、いつものように葬儀に参列していると、係員から問い詰められてしまう。窮地を救ってくれたのは、以前、別の葬儀で出会った少女アナベル(ミア・ワシコウスカ)だった。その後、仲を深めていく二人だったが、イーノックは、事故の際の臨死体験をきっかけに、ヒロシ(加瀬亮)という第二次世界大戦で戦死した特攻隊員の幽霊が見えることを告白する。そんな矢先、アナベルは、一時収まっていたガンが再発していることが明らかになるのだが・・・。

実に不思議な雰囲気が漂う作品でした。大林宣彦作品的なファンタジックな作品というのでしょうか。自動車事故で両親を亡くして以来、生きることを諦めてしまった少年・イーノック。余命幾ばくもない少女アナベル。第二次世界大戦で戦死したカミカゼの幽霊・ヒロシ。ヒロシはイーノックにしか見えません。そして、良き友人であり相談相手でありました。イーノックとアナベルはどこか似た雰囲気があり、感性が合っているのでしょう。生きようとしない少年と生きられない少女、正反対の二人でしたが、次第に仲が深まっていきます。

不思議な雰囲気を醸し出している本作ですが、物語を通して感じられるのは生命とは?生きるとは?という大命題。生きる希望を失ったイーノック。両親を交通事故で亡くし、葬儀にも立ち会えなかった。お別れができなかったことが、彼の奇行の原因の一つだったのでしょう。学校にも行かず、友だちもいない。そんな彼の唯一の友だちがヒロシでした。ヒロシはお国のために特攻して果てました。やり残したことを後悔していたのでしょう、現世にとどまっていました。そして、死期が迫る少女アナベル。まだまだこれからやりたいことがたくさんありました。しかし余命は3ヶ月。そんなアナベルのことを連れ出し、イーノックは様々な体験をさせてあげます。それはデートでもありました。

楽しい日々も長くは続かず、受け止めきれないイーノックは自暴自棄に。そして、別れの時がやってくるのでした。

泣き所は、彼女のお葬式。二人で考えた葬儀。スピーチをするイーノック。彼の胸中をよぎる想い出たち。言葉になりません。本当はこうなのかもしれません。言葉にできないほどの感謝の気持ち、幸せだった気持ち、一緒にいられて良かったという気持ちが痛いほど伝わってきました。そして、人間の人生は思ったより短い。だからこそ懸命に生きるのだし、誰かを愛するのに違いないという気持ちが溢れてきました。今にも壊れてしまいだった少年が、出会いによって大きく成長し大人の階段を一歩上り始めた瞬間でした。

気になったことがいくつかあります。特攻隊の幽霊であるヒロシが英語をしゃべるということは、まあ霊的な作用があってと言うかそんな感じにして置いておきますが、何とも気になったのが、ハロウィンでのシーン。アナベルがおそらく座敷わらしであろうコスプレをします。その時の着物の袷が左前だったのです。単なる間違えなのか?それとも意図的な演出なのか?気になって仕方がありませんでした。それとも、座敷わらしではなく和服のゾンビなのでしょうか?それにしては、デリカシーに欠けるような。

事故で両親を失った孤独な少年とガンで余命いくばくもない少女の交流を繊細なタッチで綴ったラブストーリー。

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