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2013/02/18

「チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~」鑑賞

先日、「チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~」を観てきました。マルジャン・サトラピ、ヴァンサン・パロノー監督作品。出演:マチュー・アマルリック (「潜水服は蝶の夢を見る」)、マリア・デ・メディロス、イザベラ・ロッセリーニ、キアラ・マストロヤンニ、ゴルシフテ・ファラハニ他。

音楽家・ナセル・アリ(マチュー・アマルリック)は、愛用のヴァイオリンを壊され、代わりのヴァイオリンを探すも、当然のように名器に当たることはなかった。そして、自殺を決意。自室にこもって静かに最期の瞬間を待つ8日間、ナセルは思い通りにならなかった人生を振り返る。空っぽな音だと叱られた修業時代。絶大な人気を得た黄金時代。誤った結婚、怖くて愛しい母の死。大好きなソフィア・ローレンとチキンのプラム煮。そして今も胸を引き裂くのは、イラーヌ(ゴルシフテ・ファラハニ)との叶わなかった恋・・・。

ノスタルジックな風景が続き、人生に疲れてしまった主人公の様子が描かれていきます。ヴァイオリンを変えようにも、良い楽器に巡り会わないジレンマ。夫婦関係もうまくいかず、話し合えばいつもケンカになってしまう。そんな時、忘れられない女性と再会。最期の8日間、無気力でベッドで過ごしますが、これまでの人生が走馬燈のように巡ります。

ラスト数分は、台詞もなく、音楽だけで描きます。ここは感動的で良かった。しかし、全般的に言えば、音楽モノの最大の欠点を露呈してしまった様な作品でもありました。主人公がヴァイオリンを弾くシーンが多々ありますが、一つとして、実際に弾いているようには見えませんでした。これが悲しい。音楽モノの場合、弾ける人に役者をしてもらうのか、役者に楽器を習わせるのか、そこが大きな問題です。本作の場合、弾くこと、自分の音楽を奏でることが、大きなポイントになっているのですから、さらに作品全体を印象づけるには、気を遣うべきだったのではないかと。

どことなくユーモラスで、哀愁が漂う、奇妙な味わいのある雰囲気が楽しめる作品になっています。しかし、生きることを諦めることが、どれほどわがままな、自分勝手な行為であるかと言うことも考えて欲しい。残された家族は、どう思うのだろうかと。そりゃあ、自分自身の人生かもしれませんが、家族を持つと言うことはそれなりの責任を伴うと言うことでもあるのですから。

人生に絶望した天才音楽家が、死を決意した最期の8日間で自らの人生を振り返るファンタジックなラブロマンス。

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