「ジャッキー・コーガン」鑑賞

先日、「ジャッキー・コーガン」を観てきました。アンドリュー・ドミニク監督作品(「ジェシー・ジェームズの暗殺」)。出演:ブラッド・ピット(「ツリー・オブ・ライフ」「マネーボール」)、リチャード・ジェンキンス(「キャビン」)、ジェームズ・ガンドルフィーニ、レイ・リオッタ、スクート・マクネイリー、ベン・メンデルソン、サム・シェパード他。
「優しく殺す」をモットーにする殺し屋ジャッキー・コーガン(ブラッド・ピット)は、エージェント(リチャード・ジェンキンス)から賭博場強盗の黒幕を捜す依頼を受ける。彼は前科のあるマーキー(レイ・リオッタ)を捜し出したものの、強盗を仕組んだのは別の悪党3人組であることが判明。さまざまな思惑が複雑に絡み合う中、ジャッキーは事件に関わった者を皆殺しにすることを決める。
変わった雰囲気を持つ作品でした。賭博場強盗の様子を丹念に描き、まだかまだかとやきもきさせられ、ようやくブラッド・ピッド演じるジャッキー・コーガンの登場です。静かなトーンで話すモノの、言ってることはかなり凶悪。ジャッキーが依頼する別の殺し屋ミッキー(ジェームズ・ガンドルフィーニ)は、昼間から大量に酒を飲み、娼婦を買うなど期待外れ。おまけに昔ばなしが長い長い。そのことによって、2人の過去が浮き彫りにはなりますから、キャラクターに深みがではしますが、そのことが大筋にはあまり影響しないと言うのも、なんだか不思議。キャラクター造形の表現の仕方が、おもしろみに繋がっているのでしょう。
そして、背景に流れるのが、ニュース映像を使って、米社会の構造を提示しているかのようで、賭場や殺し屋と言った裏社会との対比として描かれていきます。これがまた本作の変わった雰囲気を醸し出している一因にもなっているのでしょう。
緊張感のある賭博場強盗のシーンや、制裁を加えるシーンや殺しの場面はありますが、派手なアクションはほぼなく、台詞による応酬を楽しむ作品と言えるでしょう。米国と言うビジネスが抱える闇を垣間見せる作品でした。
裏社会に生きる男たちの生きざまを描くとともに、経済危機にひんしたアメリカ現代社会の闇を映し出すクライム・サスペンス。

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ブラット・ピットは文句なくかっこ良いけど、もう少しスマートに殺人を重ねて欲しかった。 ミッキー、情けないぜ。 マーキー、身から出た・・・でも不幸だぜ。 ジョニー、優しく殺して欲しかったなあ。 アメリカは国じゃない、ビジネスだ。 え?!カンヌでパルムドール争ってたのか・・・分からん。 ★★☆☆☆...... [続きを読む]
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