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2013/06/05

「ハッシュパピー バスタブ島の少女」私的映画考Vol.280

先日、「ハッシュパピー バスタブ島の少女」を観てきました。ベン・ザイトリン監督作品。出演:クヮヴェンジャネ・ウォレス、ドワイト・ヘンリー他。第85回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演女優賞、脚色賞ノミネート作品。

世界のはずれにあるかのようなバスタブ島。6歳の少女ハッシュパピー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、父親のウィンク(ドワイト・ヘンリー)と暮らしている。閉鎖的な場所ではあったが穏やかな日々を送っていた。ある晩、嵐が全てを奪い去る。バスタブ島は水没し、大好きな場所や仲間を失ったハッシュパピー。途方に暮れる状況の中、ウィンクが重病であることを彼女は察知し、勇気を奮い立たせるのだが・・・。

6歳の少女の目を通して語られるファンタジックな物語。ときおり登場するモンスター。これが、ハッシュパピーの成長と共に印象的に描かれています。最初は何もできない、いたいけな少女だったのに、父親の病状を慮ったり、母親の面影を追いながらも、父の元に戻るる時もモンスターは登場します。ただの妄想ではなく、強さの象徴という感じ。強くたくましく自らの力で生きろと、教え続けて来た父親の影響もあるのでしょうが、6歳とは思えない、力強さを感じます。

地球温暖化による海面上昇、地盤沈下の影響を受ける土地があり、そこに住む人びとは格差による貧困の問題などを抱えながらも生きています。これが現実なのかもしれませんが、少女の視点からすると、そんなことは関係なく、ただ日々を懸命に生きる事が大切なのでしょう。そして、そんな生活の中には、死や喪失が必ず訪れます。それを受け入れ、自然とともに生きることが、本来の人間には必要な事であるのでしょう。

世間から隔てられた場所で暮らす6歳の少女の目を通して、現実の厳しさと再生への道のりを躍動感あふれる映像で映し出す人間ドラマ。こんな時代だからこそ、観るべき作品だと思えます。

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