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2013/07/05

「風立ちぬ」私的映画考Vol.282

先日、「風立ちぬ」の試写会へ行ってきました。 宮崎駿監督作品。声の出演: 庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート、風間杜夫、竹下景子、志田未来、國村隼、大竹しのぶ、野村萬斎他。スタジオジブリ作品。

大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。航空機の設計者である堀越二郎(庵野秀明)はイタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいという野心を抱いていた。そんなある日、関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子(瀧本美織)と再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核にかかっていた。

「崖の上のポニョ」から5年ぶりとなる宮崎駿監督最新作。ゼロ戦の設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに、1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の姿を描きます。伝記的な作品で、飛行機の設計に夢を抱き続けた少年時代から、学生時代、会社員、そして零戦の設計に至るまでを、最愛の人・菜穂子とのロマンスを交えて描いていきます。

ファンタジックなシーンもあるにはありますが、小さなお子さんが楽しめるような感じの作品ではないかもしれません。震災、恐慌、世界大戦へと向かう暗い時代を、現在が、こんな時代だからこそ描き、描ききる決意さえ感じられる作品になっています。そして、夢を追い続けること、愛する人を守ることの大切さを痛切に描いています。なので、大人が見て楽しむ作品と言えるでしょう。

一方、「紅の豚」に通じる宮崎監督趣味の映画とも言えるでしょう。空を飛ぶこと、飛行機への憧れを感じます。飛行機は美しくも恐ろしい夢。確かに、航空機の開発によって世界は狭くなり、戦争は激化したと言えるでしょう。劇中、飛行機の効果音が肉声で描かれるシーンがありますが、どこか魔物が雄叫びを上げているかのように感じ、怖いとすら思いました。あたかも魔物を作り上げてしまった罪を表現しているようにも感じました。

エンディングテーマは、荒井由実の「ひこうき雲」。予告編で掛かるのを聴き、あらためてCDを聴いてみましたが、歌詞が凄かったです。ひこうき雲のようにまっすぐ白い線となって、天に昇っていった人のことを書いているのです。もっとほのぼのとした内容の歌詞だと思っていましたが、衝撃的でもありました。この曲が実に作品に合っています。爽快感があるようで、悲しみを秘めている。

泣き所は、終盤、幾度となく訪れます。風が吹き続ける間は、人は生き続けなければならない。人は出会い、そして別れていく。人を想い、想われる。その繰り返し。それでも強い心で、生き抜く。そんな、強い想いを感じられる良いラストシーンでした。

美しい飛行機を造りたいという夢を抱く青年が成し遂げたゼロ戦の誕生、そして青年と少女との出会いと別れを綴る感動作。2013年7月20日公開。

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