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2015/03/03

「フォックスキャッチャー」鑑賞

先日、「フォックスキャッチャー」を観てきました。ベネット・ミラー監督作品。出演:スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、シエナ・ミラー、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、アンソニー・マイケル・ホール、ガイ・ボイド、ジェームス・ブラット・ライス他。第87回アカデミー賞、監督賞、主演男優賞他ノミネート作品。 

レスリングオリンピック金メダリストでありながら、練習環境にも恵まれず苦しい生活を送っているマーク(チャニング・テイタム)は、ある日デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)からソウル・オリンピック金メダル獲得を目指したレスリングチーム“フォックスキャッチャー”の結成プロジェクトに誘われる。名声や孤独、欠乏感を埋め合うよう惹き付け合うマークとデュポンだったが、デュポンの移り気な性格と不健全なライフスタイルが徐々に二人の風向きを変えていく。そんな中、マークと同じ金メダリストである兄デイヴ(マーク・ラファロ)がチームに参加するのだった。

静かな印象の作品でした。音楽は少な目で、派手な演出による盛り上がりはありません。レスリングの試合のシーンでも、たんたんと試合は行われ、音楽で盛り上げようという感じはありません。まるでドキュメンタリーのようなトーンで描かれて行きます。実際にあった出来事を基にして作られている本作は、どことなく怖い感じがします。得体の知れない恐怖感が漂い続けているのかもしれません。

大富豪の考えていることは良くわかりませんが、特にこのスティーヴ・カレルが演じるところのジョン・デュポンはさっぱりわかりません。時に友好的に親密になったかと思えば、張り手をお見舞いするほど激昂することもあったり、練習場で銃を撃ってみたりとでたらめです。お金で人を動かしてきたのかもしれませんが、それでは心はつかめないのでしょうね。心を許せる友人もなく、敬愛する母も逝ってしまう。そんな時、事件は起こってしまうのでした。

デュポンの秘めた狂気が増幅され、暴走するシーンは、凄まじいです。無表情な表面からはわかりませんが、全編を通してみると、彼の中で何かがふつふつと煮えたぎっていくのがわかってきます。怒りを通り越した何かが・・・。

御曹司によるレスリング五輪金メダリスト射殺事件を題材にし、富や名声、孤独といった心の暗部でつながれた富豪と金メダリストの病的な心理を描き出す人間ドラマ。

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» 「フォックスキャッチャー」 [ここなつ映画レビュー]
あまりにも息を詰めて観ていたため、肩がこりっこりになってしまった。凄かった。本当に息詰まる、緊張感に溢れる作品。レスリングというスポーツのハードさや、とある貴族の異常性だけが凄かったのではない。勝ちたい、とか、栄誉を得たい、とかいう、人間の欲望だけが凄かったのではない。越えられない壁、埋まらない溝。マーク(チャニング・テイタム)の兄を越えたいという切望、ジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)の母親に認められたいという渇望。そう、私はこの作品を観終わって、実はこれは家族の、ひいては血の抱える問題を描い... [続きを読む]

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